椅子のフィットカバー

本日は椅子ののフィットカバーについてご紹介します。

ご依頼いただいた椅子は、イームズ不朽の名作「シェルチェア」です。

1948年、MoMA(ニューヨーク近代美術館)が開催したローコスト家具デザイン国際コンペのためにデザインされ、1950年に発表されたプラスチックチェアです。

ちなみにシェルとは英語で貝殻という意味を持ち、貝殻のような曲面で構成されたチェアになります。

長年愛着を持って使われていた椅子も座面がポリプロピレンで硬いので、これにあったシートクションを作りたいとのご希望でした。

そこで、このフォルムを変えずにすっぽりと覆ってしまうフィットカバーをお作りすることをおすすめしました。

シートの裏側でホックとベルクロで止めて、座っても座面がずれないように工夫しました。

スチールの脚部をみると使い込まれた年月が解りますね!

これでしたら、大切なフォルム損ねることなく、柔らかな座り心地も得ることが出来ます。

そして、もう少し座り心地を良くするために座面の形に合わせてシートクッションを重ねました。

もう一つおまけに背当てクッションもお作りしました。

最初は、ただシートクッションを探しに来られたお客様ですが、私共のご提案を採用していただき、長年愛着を持って使われてきた椅子を、違った個性をもってよみがえらせることができました。

ご年配のお客様ご夫婦にはとても喜んで頂きました。

しかし、この曲線のフォルムを損なわないように型を取って仕上げてくれた縫製の職人さんには感謝です・・・。