ミラノサローネに行ってきました。
ミラノサローネとは、毎年4月にミラノで開催される世界最大規模の家具見本市「ミラノサローネ国際家具見本市」の通称。正式名「Salone del Mobile.Milano サローネ・デル・モービレ・ミラノ」と言います。
こちらは、ミラノ郊外のロー市にある見本市会場Rho Fiera Milano(ロー・フィエラミラノ)の初日の様子です。6日間の会期で来場者は30万人以上と言われています。
そしてこのミラノサローネ開催の時期に合わせて、ミラノ市内で自主的に開催される展示が多くあります。
これらを総称してFuori Salone(フォーリサローネ、サローネの外の意)と呼ばれ、この世界最大規模のデザインイベントが行われる期間を『ミラノデザインウィーク』いいます。
今回は、ミラノデザインウィークの開催より2日ほど早くミラノに入り、今年から取り扱いを始めました「ロロ・ピアーナ インテリア」本社とファクトリーの見学・視察に訪れました。
ロロ・ピアーナの本社は、ミラノから北西に車で1時間ほどの所、スイス国境にもほど近い「クロアーナ」にあります。
山並みにはまだ雪が残る長閑な風景を見ながら ロロ・ピアーナの本社に到着しました。
ロロ・ピアーナの創業者はピエトロ・ロロ・ピアーナで、1924年にイタリアで高品質のカシミアとウールの生地メーカーとして創業を開始しました。
ブランド名は創業者の名前から付けられています。長い歴史の中で培われたノウハウを守りつつ、独自の進化を続けることで約100年の実績と信頼を確立している有名ブランドです。
最高級の原料と生地にこだわることで世界中からの評価が集まり、アパレル部門にも進出しています。そして、12年前にインテリア部門を立ち上げ、ラグジュアリーブランドとして活躍の幅を広げています。
そして、5年程前に高級ブランドLVMH・ルイヴィトングループの傘下に入ることで、知名度の拡大に成功しています。
写真は本社ショールームです。
ミーティングルームで、ロロ・ピアーナのブランドの歴史や背景、又はコレクショス生産プロセスにおける環境へ取り組みなど、たくさんのビデオを見せていただきながらレクチャーをいただきました。
ロロ・ピアーナの扱う繊維は基本的には、ウール・カシミア・ベビーカシミア・そしてビキューナといった動物系の高級天然繊維が特徴です。
また、近年は天然素材を強化する為リネンのメーカーをグループの傘下としてコレクションの幅を拡大しています。
また、企業理念として、天然素材としての資源を守るために持続可能な様々な取り組みを行っています。
カシミアを扱うモンゴルの酪農家と親密な関係を維持し現地には工場を併設しています。また、希少価値の高いビキューナに関しては、ペルーにビキューナの保護区を設立して保護育成に取り組んでいるそうです。
ロロ・ピアーナの最大の特徴は、原毛の調達~紡績(糸作り)~毛織(生地作り)~仕上げまで、すべて一貫生産している 世界でも数少ない高級毛織物メーカーなのです。
様々なアーカイブの資料が展示されている部屋を後にして、本社から車で15分ほど行ったところにあるカシミアの紡績工場に移動しました。
この日はとても天気が良く、山も近いこともありすこし肌寒いけれども気持ちの良い気候でした。
工場は1994年に建てられたモダンな建築ですが、上手く背景の自然に溶け込むように配慮された外壁やカラー、建物になっています。
この工場はスピングといって、繊維の原料から糸をつぐむ紡績までを行う工場です。
ロロ・ピアーナでは、アパレルなどの製品などの他に、糸や生地の原反としての出荷が大きなビジネスとなっています。
工場内に入ると、昔に使われていた紡績の機会がオブジェとして飾られていました。
現在は使われていませんが、構造としては同様の工程を行う為に現代的な最新の機器になっているそうです。
膨大な敷地の中に最新の設備が配備され、天然繊維を扱う為に温度や湿度も詳細に管理され、床は振動を防ぐために天然の木材が使われています。
工場の中の様子はお見せすることは出来ませんが、広大な工場の中で最新鋭の機器が稼働し、清潔な環境で生産が行われていました。
これは、ちょっとだけ工場内を・・・
工場内で働く作業員の方たちの為に耳栓が用意されていました。織り機の音はすごいので・・・ 働く環境にも配慮されています。
ロロ・ピアーナの工場では環境にも特に配慮されています。
工場内では沢山の水を使いますが、この水は川に戻し循環できるように再生され、使われる電気は100%屋上に設けられたソーラー発電でまかなわれています。
工場のエントランスには桜が・・・ 日本ものとはちょっと種類が違うようですが
美しい山並みの風景にも自然に溶け込んでいますね
こちらは、ミラノ市内にあるロロ・ピアーナ インテリアのショールームです。
アパレルのショップがあるモンテナポレオーネ通りの1本裏側の通りにあります。
中庭を入り、またその奥にある中庭の中にありました。
非常にわかりにくいと聞いていたので、なんとかたどり着きました。が・・・
アポイントを取らずに行ったために、スタッフが不在で中に入れずじまい。
仕方がないので、ガラス越しに写真を撮らせてもらいました。残念・・・
また次回に伺った時にレポートさせていただきます。