サマリテーヌ

 

2年前にオープンしてわだいになっていたパリの老舗デパート「サマリテーヌ」に行ってきました。

 

セーヌ川沿いのポン・ヌフ橋の右岸正面にあります。

 

 

1870年創業の老舗デパートですが、2001年にLVMH(モエ=ヘネシー・ルイ・ヴィトングループ)が買収し、老朽化の問題で2005年に閉鎖されていました。

 

以来16年もの長きにわたって閉鎖されたままでしたが、2021年6月にリニューアルオープンとなりました。

 

 

アール・ヌーヴォーとアール・デコが調和した植物をモチーフに表現された繊細なデザインの手摺りが見られます。

 

 

アール・ヌーヴォー様式のポン・ヌフ館は、歴史的建築物にもなっている建物の創業時の姿を取り戻し、新たな命が吹き込まれた。

 

残されたオリジナルの部材と装飾を丁寧に取り外し、様々な工芸職人や専門家らの手によって修復されています。

 

 

各階には工事に携わった人たちがアートフォトとして飾られていました。

 

職人でのリスペクトが感じられてとても印象的でした。

 

 

孔雀のフレスコ画は建築家のジュルダンの息子で画家のフランシス・ジュルダン作品です。

 

今回の修復作業によって色鮮やかに蘇りました。

 

 

パリへ

フランクフルトを出発してパリへ向かいました。

 

パリ~フランクフルトは市内中心部の駅~駅へTGV東線が繋いでおり、飛行機のように郊外の空港に行ったり搭乗前のチェックインなどの面倒な手続きや余計な時間をかけることなく利用できます。

 

夕方パリに到着しました。

 

今回の宿は、慣れ親しんだ場所「サンジェルマン・デ・プレ」のプチホテルです。

 

パリ・デコオフの会場にも程近くアクセス重視ですが、この古いこじんまりした佇まいが何ともパリらしくていい感じです。

 

 

今やカードキーが当たり前の時代に、部屋の鍵もこんな感じです。

 

 

エントランスを入るとすぐ右側がレセプションです。

古き良きパリが感じられる空間。ソファーや家具、ランプが配置され居心地の良い空間が広がっています。

 

 

部屋はシンプルにこんな感じです。一人なのでこれで充分です。

近くにはスーパーやベーカリーもあって一週間程の滞在も快適に過ごせそうです。

 

 

翌朝、朝食を買いに外の出てみると快晴でした。

近くのサンジェルマン・デ・プレ教会が美しく照らされていました。

パリ・デコオフのスタートまでに2日ほど余裕があるので、今日はこれからパリの街に散策に出かけます。

 

DOMOTEX(ドモテックス)へ

 

ハイムテキスタイルと同時期に開催されてたDOMOTEX(ドモテックス)へ行ってきました。

 

ドモテックスは、世界で最も影響あるカーペットや木質床材、タイルなどのフロアカバリング(床材)の展示会です。ヨーロッパだけでなく世界からバイヤーが集まります。

 

早朝フランク中央駅を発って、会場のあるハノーファーへ向かいました。

 

 

ホール2を入ると、ハンドメイドのカーペットが山積みにされています。

其々一点物のデザインをめくりながら、買い付けが行われています。

ハイムテキスタイルとはまた違った雰囲気です。

 

 

このホールには「2023カーペットデザインアワード」の展示がされていました。

ステージが設けられ、表彰も行われています。

 

 

こちらは ベスト モダン デザイン スーペリアに選ばれた「生命の囲い」という作品。

 

グレーとベージュのニュートラルなパレットの上にある グリーンの色は、手付かずの素朴な魅力でモダンな美学を生み出しています。

 

 

近くで見ると砂地に苔の様な植物が生えている風景にも見えます。

細かいハンドタフトのテクニックで表現されています。

 

 

この「Lady in Rug」にはドキリとしました!

全身に待ち針が刺さっていて、腕の部分が動くのです。

オブジェを人間化し、体を客観化し創造的な規律を抑止します? (+o+)

 

 

ホール4のこちらもハンドタフトのブースです。

使い古されてた敷物を解いて再生し作られています。

ハイムテキスタイルのトレンドブースのイメージそのままですね。

 

 

同じ様な方法で作られた虎の皮をイメージした可愛らしいラグです。

織ってからカットするのでは無く、このままの形に織り上げるそうです。

トルコの会社でしたが、アメリカでとても売れているそうです。

 

 

ホール5~6はマシーンメイドのブース。

機械織で作られるラグ・敷物の会社が出展しています。

この写真のカービング加工の立体感がすごいですね。

 

 

その中でも時に目立っていたのが、こちらのエジプトの会社。

 

ブースの面積もとても広いのですが、外側の動線通路も自社のカーペットで敷き詰められていて、とてもゴージャスな雰囲気を醸し出しています。

 

 

ブースの中では沢山のテーブルが設けられ、活気のある買い付け商談が行われていました。

日本人のチームを何人か見かけたので、どこかのメーカーのチームかもしれません。

 

 

23ホールに設けられた「THE GREEN COLLECTION」はカーペットや床材におけるサステイナビリティーをテーマにした新しい特別展示エリアとなっていました。

また展示だけでなくプレゼンやカンファレンスも行われていました。

 

 

今年のDOMOTEXのテーマは「FLOORED BY NATURE」

やはりカーペット・床材の業界でも同じく、サステイナビリティー、気候変動や環境、素材調達などが配慮された製品がトレンドですね。

 

ハイムテキスタイル その2 トレンドブース~

ハイムテキスタルでは、その年のインテリアテキスタイル業界のトレンドが発表されます。

今回のテーマは「TEXTILES MATTER(テキスタイルマター)」です。

 

パンデミックという非常に困難な2年間を経て、新たなエネルギーと、よりクリーンで環境や地球に優しいテキスタイルでインテリア業界を擁護する新鮮なメッセージが発信されました。

 

 

「Textiles Matter(テキスタイルマター)」というテーマのもと、環境・循環型・サステナブルをさまざまな角度から表現した「Make and Remake」「Continuous」「From Earth」「Nature Engineerde」という4カテゴリーが提案されました。

 

 

上の写真はその内の一つ「Make and Remake」を表現した展示ブースです。

 

使い古しや余った素材、デッドストックの布などを魅力的で美しいデザインに生まれ変わらせることを表現しています。

 

 

使い古しや余った素材、デッドストックの布などを魅力的で美しいデザインに生まれ変わらせます。

今すでにあるものを資源化し、あまり形を変えずにクリエーションする修理の美学と言えるでしょう。

 

 

こちらは出展会場の様子ですが、ほとんどすべてのブースにおいても、リサイクル・アップサイクル・サーキュラーエコノミー(循環型経済)といったキーワードが見られました。

 

 

今やこれらのキーワードについて意識の無いブランドは、ヨーロッパの市場では選んでもらえない・・・といった感じです。

 

 

 

それ以外で新しく感じられたものは、デシタルジャカードの技術です。

まるでデジタルプリントの壁紙のように見えますが、こちらは織物で作られたものです。

 

 

そして、トレンドブースで表現されたものを実際に作っている会社もありました。

こちらのスイスの会社の作る糸で織られたテキスタイルは、完全に生分解性であるため、使用後に次世代の栄養素になるのです。

 

 

この糸で作られたテキスタルは将来的には全て分解されて土に還ることを表現した展示です。

 

 

そして、このDeco Design Fürus というドイツの会社は、この糸を使ってテキスタイルを作っています。

 

もともとプリントや織り、刺繍といった様々な技術があり、カーテン ファブリックの完全なシステムを提供しているため、カーテン テープ、カーテン ラダー、ラベルなどの付属品も単一素材からリサイクルできるのです。

 

これらの機能的な商品は、一昨年からドイツのJAB社で「Nature Protect」とう名で発売されています。弊社でもサンプルを一部ですがご用意しています。

 

フランクフルト へ

 

 

毎年、ヨーローパからインテリアシーンは1月の「ハイムテキスタル」から始まります。

世界中から約2,200社が出展する「ハイムテキスタイル」で発信されるテキスタイルトレンドの動向は毎年業界の注目となっています。

1月10日から13日にかけてドイツ・フランクフルトにて開催されるハイムテキスタルに行ってきました。

今回は、2年前から取引を始めたメーカーとのミーティングを行うことも重要なミッションとなります。コロナ禍でリアルで会うことが出来なかったので、3年ぶりの海外渡航となりました。

 

 

円安と物価高で航空券は高騰しています。今回は直行便は高いので、エミレーツ空港を利用しドバイ経由で行くことにしました。

写真は経由地のドバイの空港の様子です。早朝の6:30頃でしたが、すごい人で賑わっていました。日本と違いほとんどの人はノーマスクです・・・

 

 

フランクフルトで滞在したホテルです。ちょっと市街中心からは離れていましたが快適な空間でした。

冷蔵庫には常時ビールが2本ストックされていて、ホテルに帰ると補充されているのがありがたい!(笑)

 

 

ホテルに到着したのが午後3時頃でしたので、この日は展示会場には行かずにフランクフルト中央駅まで歩いて散策してみることにしました。

ちょうど夕方近くで、雨上がりに美しい夕焼け空を見ることが出来ました。まるで空が燃えているようです。

 

 

街中を優雅に流れるマイン川に架かる吊り橋を渡って市街中心地を目指して歩きます。

 

 

吊り橋の上からも美しい夕焼けを見ることが出来ました。

地元の人たちも足を止めて写真を取っていました。

 

 

フランクフルト中央駅まできました。

この後、地下鉄Sバーンで2駅目のハウプトヴァッヘまで移動し、先乗りしている友人と待ち合わせて、美味しいベトナム料理を食べに行きました。

さて、翌日からいよいよ「ハイムテキスタイル」の会場へ乗り込みます。

 

 

 

THE ALCHEMY OF LORO PIANA INTERIOR

パリ滞在での週末、Loro Pina INTERIOR から招待されて、Quai d’Orsay EU外務省で行われたスペシャルなパーティーに伺いました。

ヨーロッパ・外務省は、フランスの省の一つ。フランスの外交政策の実施および欧州連合内における関係の維持を担当する省庁です。

 

 

19世紀半ばに建築家ラコルネにより設計されたこの豪華な建物は、国王や首長、高官を受入れる為に作られました。

 

 

世界中から、選ばれた顧客しか招待してもらえない特別なパーティーです。

日本からの定員は3名のみ。その中に加えていただけるとはとても光栄なものです。

 

 

招待されていた方たちは、世界各国のディストリビューターのスタッフや、その顧客のの方々のです。

 

 

「カシミア-秘密の起源」と題したアカデミー作家によるムービーの上映から館内のガイドツアーが行われました。


それにしても、このインテリアは中世のお城さながら、世界各国の要人もてなす為の室内装飾はまさに豪華絢爛です。

 

そして、素晴らしい食事とお酒が振る舞われ、VIP気分を満喫した夜でした。

 

 

 

 

Paris Deco off 2020 右岸~

それでは、各エディターから発表された新作のファブリック中から、弊社の取り扱いブランドをご紹介していきましょう

 

 

Paris Decooff 右岸の会場に常設のショールームを構えるフランスのブランドTEVENON (テブノン)です。

 

 

SHOWTIME というこの生地はコットンリネンのベースに大胆な刺繍が施されています。

カラーはこのネイビーブルー1色展開です。

 

 

こちらも刺繍のBLACK&WHITEというコレクション。

TEVENONのはプリント生地にオリジナリティのあるものが多いので弊社でも揃えているのですが、今年はちょっと高級感のあるゴージャスなのも良さそうです。

 

 

人気のアニマル柄のプリントも新作として出ています。

 

 

こちらは弊社でもメインで取り扱う DESIGNERS GUIRD (デザイナーズ・ギルド)

おなじみの大胆な花柄のデシタルプリントやヘキサンゴンモチーフの椅子張り生地。そして、ファイバーガード機能のある多色無地のコレクションなど新作をオーダーしました。

 

 

こちらはファッションデザイナー Christian Lacroix (クリスチャン ラクロア)新作です。

花?鳥? まさにラクロアの世界観満載のコレクションです。

 

 

こちらもラクロアから発売されたクッションです。今年は、ランオンやトラなどのネコ科のアニマルモチーフが本当によく見かけられました。

 

 

 

JAPANTEX2019 Windows Paradise

      

 

本当にしばらくぶりのブログです。

今年のJAPANTEX2019において、テーマブースのデザインを担当させていただいた記録として書きました。

 

 

インテリアファブリックス業界最大のイベント第38回「JAPANTEX 2019 INTERIOR TREND SHOW」(主催:(一社)日本インテリアファブリックス協会)が11月13日(水)〜15日(金)の3日間、東京ビッグサイト南1・2ホールにて開催されました。

令和最初の「JAPANTEX」は、「空間を装うインテリアファブリックス&デザイン」を開催テーマに、メイン企画として「インテリア・トレンド・スクエア」が実施されました。

これは3つの企画で構成されるもので、「Windows Paradise 2019」((公社)インテリア産業協会との共催)を中心に、ICと窓装飾プランナーのダブル資格者による生活提案展示「プラチナ世代の3つの物語」と題して3名によるデザイン展示が行われました。

その中の1ブースを私が担当させていただきました。

 

 

私が与えられたターゲット年代層は50代~60代の男性。そしてテーマは『旅』。

まさに、自分の年代と趣味を表現するにはうってつけの題材です。

今年の1月に旅したスリランカで訪れた、トロピカルモダニズムの先駆者ともいわれる『ジェフリー・バワ』の建築からインスピレーションを得て空間をデザインしました。

 

 

バワの建築に見られるテキスタイル使いは白と黒のモノトーン。

パターンだけでは無く、トリム・フリンジなどのアクセサリー使いでオリジナリティを表現しました。

腰壁はペイント仕上げ。アニースローンチョークペイントを使い、自分で塗装しました。

 

 

サイドフレームにブレードを使ったり、リボンを使い、ラインでデザインをあしらいアクセントにしてオリジナリティーを出しました。

レールは最新の天井埋込レールを使い、ピッチコードを使ったヒダを摘ままないウェーブスタイルにしています。

 

 

ネットのレース越しには 花が咲き乱れるオアシスのような水辺に鳥たちが集う、物語のワンシーンを切りとったような、幻想的な世界が拡がります。

 

 

今回の一番の見せ所は、ロートアイイアンをイメージしたバランスです。ポリエステルの再生繊維 東レのウルトラ スェードを使い、レーザーカットしてオリジナルバランスを付けました。

カーテンは左右を1.5対1の非対称に逆にバランスの左右を変える事で釣り合うように工夫しています。

 

 

床のタイルに見られる斜めの市松張りは、バワ建築の『ルヌガンガ』からのインスピレーション。

クッションも様々なテクニックを使い分け、マスタードイエローをアクセントにしています。

 

 

フレームワークは、自分がスリランカを旅して撮った写真からモノクロコピーしてアート風に飾りました。中央に飾った写真がジェフリー・バワさんです。

シェード付きのペンダントは自社ショップからの持ち込みを使いました。

 

 

もう一つの見せ所は、デジタルプリントの壁紙です。ジェフリー・バワのパートナーとして活躍されたアーティストである『ラキ・セナナヤケ』さんのアトリエを実際に訪れた時に提供いただいたデータの中の作品を大きく引き伸ばしてデジタルプリント壁紙にしました。

壁付の照明やデスクの配置などは、バワ建築のホテルからのインスピレーションです。

 

 

来場者の方にジェフリー・バワの建築を知っていただけるよう、デスクの上には書籍やバワが特集された雑誌を置きました。

 

 

そして第三の見せ場は、テーマの一つとしてクラフト感を表現するにチャレンジ。

リネン&ウールの生地を30cmにレーザーカットして、それを平織り状に自分たちで編み込んで作りました。「窓辺は機能的にふさぐだけではなく、飾って楽しむこともできる」というメッセージを込めています。

 

 

「難しいテクニックだけではなく、ちょっとした工夫でオリジナリティを表現し、オンリーワンの空間を作ることができます。」

このようなメッセージを込めて今回のブースデザインをさせていただきました。

そして、このような機会をいただけた (一社)日本インテリアファブリックス協会と(公社)インテリア産業協会の皆様に深く感謝いたします。

 

 

 

ミラノ・デザインウィーク ~ Lolo Piana(ロロ・ピアーナ)  

ミラノサローネに行ってきました。

ミラノサローネとは、毎年4月にミラノで開催される世界最大規模の家具見本市「ミラノサローネ国際家具見本市」の通称。正式名「Salone del Mobile.Milano サローネ・デル・モービレ・ミラノ」と言います。

 

こちらは、ミラノ郊外のロー市にある見本市会場Rho Fiera Milano(ロー・フィエラミラノ)の初日の様子です。6日間の会期で来場者は30万人以上と言われています。

そしてこのミラノサローネ開催の時期に合わせて、ミラノ市内で自主的に開催される展示が多くあります。

これらを総称してFuori Salone(フォーリサローネ、サローネの外の意)と呼ばれ、この世界最大規模のデザインイベントが行われる期間を『ミラノデザインウィーク』いいます。

 

 

今回は、ミラノデザインウィークの開催より2日ほど早くミラノに入り、今年から取り扱いを始めました「ロロ・ピアーナ インテリア」本社とファクトリーの見学・視察に訪れました。

 

 

ロロ・ピアーナの本社は、ミラノから北西に車で1時間ほどの所、スイス国境にもほど近い「クロアーナ」にあります。

山並みにはまだ雪が残る長閑な風景を見ながら ロロ・ピアーナの本社に到着しました。

 

 

ロロ・ピアーナの創業者はピエトロ・ロロ・ピアーナで、1924年にイタリアで高品質のカシミアとウールの生地メーカーとして創業を開始しました。

ブランド名は創業者の名前から付けられています。長い歴史の中で培われたノウハウを守りつつ、独自の進化を続けることで約100年の実績と信頼を確立している有名ブランドです。

最高級の原料と生地にこだわることで世界中からの評価が集まり、アパレル部門にも進出しています。そして、12年前にインテリア部門を立ち上げ、ラグジュアリーブランドとして活躍の幅を広げています。

そして、5年程前に高級ブランドLVMH・ルイヴィトングループの傘下に入ることで、知名度の拡大に成功しています。

写真は本社ショールームです。

 

 

ミーティングルームで、ロロ・ピアーナのブランドの歴史や背景、又はコレクショス生産プロセスにおける環境へ取り組みなど、たくさんのビデオを見せていただきながらレクチャーをいただきました。

ロロ・ピアーナの扱う繊維は基本的には、ウール・カシミア・ベビーカシミア・そしてビキューナといった動物系の高級天然繊維が特徴です。

また、近年は天然素材を強化する為リネンのメーカーをグループの傘下としてコレクションの幅を拡大しています。

 

 

また、企業理念として、天然素材としての資源を守るために持続可能な様々な取り組みを行っています。

カシミアを扱うモンゴルの酪農家と親密な関係を維持し現地には工場を併設しています。また、希少価値の高いビキューナに関しては、ペルーにビキューナの保護区を設立して保護育成に取り組んでいるそうです。

 

 

ロロ・ピアーナの最大の特徴は、原毛の調達~紡績(糸作り)~毛織(生地作り)~仕上げまで、すべて一貫生産している 世界でも数少ない高級毛織物メーカーなのです。

様々なアーカイブの資料が展示されている部屋を後にして、本社から車で15分ほど行ったところにあるカシミアの紡績工場に移動しました。

 

 

この日はとても天気が良く、山も近いこともありすこし肌寒いけれども気持ちの良い気候でした。

 

 

工場は1994年に建てられたモダンな建築ですが、上手く背景の自然に溶け込むように配慮された外壁やカラー、建物になっています。

 

 

この工場はスピングといって、繊維の原料から糸をつぐむ紡績までを行う工場です。

ロロ・ピアーナでは、アパレルなどの製品などの他に、糸や生地の原反としての出荷が大きなビジネスとなっています。

工場内に入ると、昔に使われていた紡績の機会がオブジェとして飾られていました。

現在は使われていませんが、構造としては同様の工程を行う為に現代的な最新の機器になっているそうです。

 

 

膨大な敷地の中に最新の設備が配備され、天然繊維を扱う為に温度や湿度も詳細に管理され、床は振動を防ぐために天然の木材が使われています。

 

 

工場の中の様子はお見せすることは出来ませんが、広大な工場の中で最新鋭の機器が稼働し、清潔な環境で生産が行われていました。

 

 

これは、ちょっとだけ工場内を・・・

工場内で働く作業員の方たちの為に耳栓が用意されていました。織り機の音はすごいので・・・ 働く環境にも配慮されています。

 

 

ロロ・ピアーナの工場では環境にも特に配慮されています。

工場内では沢山の水を使いますが、この水は川に戻し循環できるように再生され、使われる電気は100%屋上に設けられたソーラー発電でまかなわれています。

 

 

工場のエントランスには桜が・・・ 日本ものとはちょっと種類が違うようですが

 

 

美しい山並みの風景にも自然に溶け込んでいますね

 

 

こちらは、ミラノ市内にあるロロ・ピアーナ インテリアのショールームです。

アパレルのショップがあるモンテナポレオーネ通りの1本裏側の通りにあります。

中庭を入り、またその奥にある中庭の中にありました。

非常にわかりにくいと聞いていたので、なんとかたどり着きました。が・・・

 

 

アポイントを取らずに行ったために、スタッフが不在で中に入れずじまい。

仕方がないので、ガラス越しに写真を撮らせてもらいました。残念・・・

また次回に伺った時にレポートさせていただきます。

Paris Decooff…2019 | PIERRE FREY / BRAQUNIE

 

フランスのナンバー1ブランドといえばやはり “PIERRE FREY”(ピエール・フレイ)と言えるのではないでしょうか。

ヨーロッパが不況と言われるこの時代にも 前年比14%アップの業績を上げているとは素晴らしいものです。

今回は、その中のグループブランドの一つである “BRAQENIÉ”(ブラクニエ)をご紹介しましょう。

by Anne Pericchi-Draeger

ブラクニエは1858年にブラクニエ兄弟のアレクサンドルとシャルルアンリによって創設され、まさしくフランスの伝統的なドキュメンをもとに、古典的なファブリックを現代に蘇らせているブランドです。

フランスのナポレオン3世の公式供給者であり、ベルギー王国とドイツ皇帝の供給者でもありました。

ルーヴル、シャンボール、ヴァチカンなどナポレオン三世以降のヨーロッパの宮殿、ヴィクトル・ユーゴーの家などでも使われているのです。

そして、1991年にピエール・フレイのグループとなりました。

右岸の会場 “RUE DU MAIL”  にあるショールームの地下にはそのアーカイブのコレクションが数多く保管されています。

それらの貴重なデザインををもとに現代にマッチしたカラーリングで再解釈され、フレンチスタイルらしい素敵なコレクションを展開しているのです。

こちらは、左岸のサンジェルマン・デ・プレ地区にあるブラクニエの単独ショールームのディスプレイです。

テーマは「COMPTOIR D’ORIENT」フランス人デザイナー “Anne Pericchi-Draeger ” によるものです。

18世紀の装飾芸術における主要テーマであるエキゾチック主義です。

16世紀にオスマン帝国、インド、ペルシャ、中国からの輸入品で始まったエキゾチックな花パイナップルシノワズリは、世界の他の地域にとってこのうえなく魅力的なものでした。

これらの遠い土地は 夢のような異国情緒にあふれ、ヨーロッパ人を魅了しているのです。

ターゲットは30~40代の女性。大人可愛らしさを表現しています。

“Age of Enlightenment” と表現されたこの再定義は、純粋に古典が好きな人を安心させ且つ、色や壮観なデザインに恋をしている若い世代をも間違いなく魅了します。

シルク、プリント、刺しゅう、そしてベルベットの力強い色彩の大胆な組み合わせは、慣れ親しんできた18世紀の伝統的なパステルトーンとは対照的です

クラシックをこんな風に見せることが出来るなんて新しい感覚で驚き。とても参考になります。

花柄のモチーフが重なっても目障りにならないように、壁紙やカーテン、絨毯に上手にカラーやトーンのコントラストを付けて其々が引き立つよう上手くまとめられています。

クラシックスタイルのソファーでも、シート部分に幾何学のパターンを苦に合わせることで、なぜか可愛らしくなるから不思議です。

カジュアルなチャック柄サテンをプチバルーンスタイルでソファーと同柄のアールヌーボー柄の壁紙との組み合わせで Orient Style に…

クラシックの新しい使い方の再発見です。

そして、今季から新しく家具のコレクションも加わる ピエール・フレイ の今後の展開がとても楽しみです。