『ゴールデントライアングル』の旅 その2

タイは今雨季。おまけに台風が来ていて、2日目の朝はものすごいどしゃ降りでした。

そんな中、北部の山岳部に向けて出発しました。

ガイドのAEさんに、「こんな雨じゃどうしよう?」と言うと、

「大丈夫。たぶん行く途中で止みますよ・・・」。という能天気な返事・・・。

しばらく行くと、雨は止まって晴れたか! と思うとまた降りだす・・・みたいな微妙な天候。

しかし、山岳地帯に差し掛かるころには雨はおさまっていました。

山道を少し外れた所に、山岳民族の「モン族」の村はありました。

しかし、村は人通りはなく閑散として静まりかえっています。

家の玄関横に座っていた老人に聞くと、みんな畑仕事に出ていると言います。

そりゃそうですよね! ここは観光の村ではないのだし。

家の中をのぞいて見せてもらったりしながらブラブラ歩いて下って行くと、

手作りのパチンコを持って何かを追いかける少年2人と出会いました。

「何捕ってるの?」とAEさんに通訳してもらってると聞くと、

ここの人たちは、タイ語ではないそれぞれの部族独自の言葉でを話すので、私もよくは解らないけど・・・。 簡単な言葉なら少しは・・・

ということで聞いてもらったところ、どうやら小さな鳥をパチンコで撃って仕留めているのだということが解りました。

「それ どうするの?」 と聞くと、素揚げにして食べるのだと言います。

緑深い藪の中をものともせず入って行って、仕留めた小鳥を自慢げに見せてくれました。

山岳民族といっても、本やテレビで見るようにいつも民族衣装を身につけているわけではなく、

着るのはお正月やお祭りごとの行事があるときだけとのこと。  そりゃそうですよね!

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紹介し忘れましたが、今回の現地ガイドのAEさん。なんと7ヶ国語を操る才女なのです。

英語、スペイン、フランス、中国、タイ、日本語、あともう一つはどこか忘れましたが。

それ以外に山岳民族の言葉も勉強して少しは話せるとのこと。

年の頃は、丁度私たちと同年代の40代中頃だと思われ、サラリーマンのご主人と14歳の娘さんがいるそうです。

以前はOLをしていたそうですが、ガイドを初めて7年目。日本語はドラえもんの漫画に興味をもって読みながら覚えたそうです。

「AEさんは何語が一番得意なの?」と聞くと、

「それは、タイ語です!!」 

「あたりまえだろーーー!」(笑)

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次に目指したのは、ラオスとの国境が近い「アカ族」の人の住む集落です。

座っていたおばあさんにカメラを向けると、「写真を撮るなら金を払え!」と怒られてしまいました。

アカ族の人は気性がちょっと荒いらしく、AEさんも少し苦手なのだそうです。

しかし、暮らしぶりは結構豊かに思われ、それぞれの家に車があったりします。

聞けば、この辺の人は未だにアヘンの材料になるケシの栽培を続けているらしく、それを売って生計を立てているのでお金があるのだそうです。

タイ政府の取り締まり強化や指導でほぼ撲滅したと聞いていたケシの栽培が、山岳地帯ではまだ残っていたのでした。

そこで、タイ政府がケシの代わり換金作物として力を入れたのがお茶の栽培です。

旧国民党系と言われる在住中国人の人たちが持ち込み、高級烏龍茶の産地として有名になったのが、メーサロンという地域です。

だれもいないメーサロンリゾートの広い「さくらレストラン」でランチをいただきまいた。

ここで一面に咲く日本のさくらに似た花をこちらでもさくらと呼ぶのだそうです。

地元で取れた食材を使った料理はどれも美味しく、思わず食べ過ぎでてしまいました。 

でも、食後の烏龍茶でスッキリです。

国道に面したメーサロン町では、山岳民族の人たちが作った手作りの製品が沢山売られています。

野菜を売りながらもみんな刺繍をしています。

刺繍をしていた織物を見せてもらいました。

本当に色鮮やかで美しいですね。

これは着もので、1年もかけて仕上げるのだそうです。

私もその美しさに魅せられて、ショルダーバッグを一つ購入しました。

ちょっと使い古したもので、擦り切れたりしていますが、それがまたいい感じを醸し出しています。

次回はいよいよゴールデントライアングルに向かいます。