CASAMANCE(カサマンス)の生地を使って椅子の張替えをさせていただきました。
実はこの椅子、御蔵の中で50年程眠っていた椅子なのです。
上の写真はお預かりした時の様子です。
お客様の経営する会社で昔使っていたこの椅子は、なんと48年もの間御蔵の中で眠っていたのです。
それが判明したのは、ひょんな事からです。
お預かりした時は、丁寧に新聞紙で包まれている状態でした。
その時剥がした新聞紙の日付がなんと昭和39年、そう東京オリンピックの開催された年。
何を隠そう私が生まれた年がこの昭和39年なのです! 年がばれちゃいましたね・・・。
そう私の年齢と同じ48年もの間、御蔵の中で眠っていたことが解り、びっくりしたのでした!
お母様から引き継いだものなので、ご依頼頂いたお客様が生まれる前からずーっと眠っていた椅子を甦らせることになりました。
既存の布を剥がしてみると、クッション材には藁が使ってあり、スプリングは丈夫で傷んでいなかったのでそのまま使うことにしました。
長年使われていなかったので、剥がした状態でしばらく藁をほぐしてしばらく乾燥させました。
そして、クッション性を増すために、ポリエステル綿を混ぜ合わせて座り心地にやわらかさを出すようにしました。
モダンなデザインの赤のカットベルベットはお母様のお宅の玄関用のチェアとして、マスタードイエローの無地と可愛いらしいドットのカットベルベットの物は、お嬢様のお宅のダイニング用にお納めしました。
約半世紀も昔の椅子が、現代的な生地に貼り替わり新しく蘇りました。
日本では、まだ椅子の張替えの文化はそれほど普及されていませんが、ヨーロッパでは、親から受け継いだものを大切に張替えて使っていくことがあたりまえなのです。
上質なものは、自分好みの生地で張替えて新しく甦らせて使っていただきたいものです。
海外のブランドのコレクションには、素敵な椅子用の生地が沢山揃っています。
是非お問い合わせ下さい。 お待ちしております!