モマサレース工業さん見学 その2 ミラーレースって・・・

そうそう、ミラーレースが8割・・・。

ミラーになってるものは、レースという名前は合いませんね。
ミラーカーテンという、別のものだと思います。

そして、日本ではミラーカーテンが大人気です。
というか、日本特有の機能だと思います。

海外メーカーで、ミラーカーテンなんて探せませんので。

ご存知のお客様も多いかと思いますが、
ミラーカーテンとは、特別な織り方で、レース地の裏面を
鏡のようにして光を反射し、外部から室内をより一層見えにくくしたものです。
生地によっては、夜、室内に明かりがついていても、
殆どシルエットが映らないものもあります。

また、光を反射するのですから=UVカット効果もあり、
部屋の日焼けを防いだり、夏の冷房効果を上げることにもつながります。

― ただ、陽が部屋に入りにくくなるので、冬の暖房効果は???ということがありますが ―

そうです、この省エネの時代、また、日本のようにお庭が少なく、
隣近所や、道路との距離が近い住環境では、優れた機能かと思います。
そう、いいことづくめじゃないか!という感じですが・・・

しかし・・・・・・
決して美しくはありません。

レースの柔らかい、ふわっとした感じは皆無で、
あの、光を通して生地がキラキラと透ける感じも味わえません。

↑ 勝手ですが、私は、このキラキラが好きです。

先程も書きましたが、マンションの高層階にお住みの方は別として、
狭い日本では、戸建てや、マンションでも近隣のビルから室内が見えてしまう立地の方は、
省エネだけでなく、防犯上の面からも、お選びになる確率が高いのは分かります。

しかし、日本にはこんなに美しいレースが、山ほどあるんですよー。

(↑これは、レースをガラスとガラスの間に挟んで加工した製品です。
ドアについてるガラスに、アクセントとして施したり、お部屋の間仕切り等でも活躍します。)

また、夜や曇りの日で、外が暗く、室内の照明をつけてしまえば、
普通のレースでは室内が透けて見えますが、外が明るく、
室内が暗い日中は、しっかりヒダをとった無地のボイル地でも、
室内が透ける様なことはありません。

まして、柄や刺繍が施されていれば、なおさらです。

また、カーテン+カーテンの組み合わせでなく、
シェード+カーテンにすると、シェードは上下に動きますので、
目線の気になる箇所まで下ろすという手もあります!

見学させていただいたモマサレースさんも、
繊細で美しいレースを作る、素晴らしい技術をお持ちです。

その技術を駆使した、毎日見てるだけでうっとりしてしまうような
レースの製造が増えればいいのになぁ・・・と、つい思ってしまいます。

お嬢様のお部屋や、垣根が低く、通りから丸見えになってしまうお部屋等、
どうしてもミラーの機能が必要な場合もあると思いますが、お決めになる前に、
是非是非、ふんわりとしたボイルや、刺繍レースも、一度ご検討下さい。

モマサレース工業さん見学 その1

少し前から、とびとびでご報告してました、工場見学ですが、
縫製工場→防炎・染色工場→レース工場ということで、
この、モマサレースさんが最後となります。

・・・ってもう、1ヶ月以上前に行った見学です。

どれだけ、ブログさぼってるんだという感じですが。
すみません。

今回の見学は、モマサレースさんのご厚意で、
計画いただいたものです。

美味しいお蕎麦や観光名所も含め、すばらしいアテンドをして下さった
モマサレースの宮川様にも、この場を借りてお礼申し上げます。
ありがとうございました!

ということで、早速工場のご紹介です。

皆さん、びっくりされますよー。

足利の自然豊かな場所に立ち・・・

ゴルフ場のクラブハウスかと思うような・・・(クラブハウス知らないけど・・・)
なんと、これが工場。

その応接室は、美しいレースをふんだんに使って
窓辺を飾られ・・・

なんと、クリスマスの装飾まで!

ツリーの足元には、プレゼントの箱が詰まれ、
まさしくこれは、幼い頃に読んだ、“マッチ売りの少女”に出てくる
憧れのお部屋の世界!

優雅です。

さて、工場のほうはといいますと、
さすがに、昔の貴婦人のように、優雅にレースを編むわけにいかず
完全機械化。

工場や、稼動している機械の大きさに比べ、働いている人の
少ないこと!

交代制で入られるようですが、常時いらっしゃるのは、2人~3人です。

この、巨大なボビンに糸を巻き、それを機織り機にセットして、
次々とレースが作られていきます。

ご説明によると、今は、ミラーレースの製作が8割とか・・・。

やはりそうなのか~(泣)

・・・泣いてる理由は、次回で・・・。

お客様VS私

夏の終わり頃に初めてお会いし、いよいよ
来月末に、納品のお客様がいらっしゃいます。

こちらのお客様のセンスとこだわり、そして、
行動力が素晴らしいのです。

建築が始まる前から、デザインセンターに足を運び、
ウール100%のカーペットの在庫を抑え、
カッシーナのソファを注文し、
フリッツハンセンの椅子を手配し・・・。

それを、ご主人様自ら足を運び、情報を集め、
一つ一つ確認し、ご注文になっているのです。

勿論、内装にそこまでこだわっていらっしゃるのですから、
建築物自体も、材質から使い方までしっかり吟味し、注文なさっています。

私は、打合せの度に驚かされ、感心させられてばかりです。

しかし!
感心してるばかりでは、私の存在意義がなく、申し訳ないので、
カーテンの生地やデザインが、無事決まったところで、
プラスで、クッションをご提案させて頂くことにしました。

お客様に負けず、私もお役に立たなくては!

お客様の選択眼にかなうもの、そして、インテリアに負けず上質で、
シックでも華のあるクッションを・・・。

ということで、8種類考えてみました。

表面と裏面、パイピングと、全て違う生地の組み合わせで8種です。

私が、Bestと思っていたものを、奥様も一目で、これ!と。

最終的に、ご主人様がどれをお選び下さるのか、楽しみです。

無垢の床材に珪藻土の壁、革張りのソファ、
ロイヤルブルーのB&Oのスピーカー、
そこに、リネンのシェードと、バウマンのバーティカル。

私が引っ越してきます!!といいたくなるようなお宅が、
もうすぐ出来上がります。

防炎加工 カナイ整染さんの見学 その2

さて、前回ご紹介したカナイ整染さんの工場の写真です。

まず、この大きな釜で、薬品に着けたり染色したりの処理をします。

中はこんな感じ。

加工した生地を、超大型洗濯機のようなもので洗いに洗って・・・

脱水して!

乾かす!

整える!

検品!

そして、保管!

これらの過程を経て、優秀な防炎品へと生まれ変わるのですね。

保管倉庫は、2階分(3階分?)の吹き抜けに、鉄骨が組まれ、
そこに、反物となった生地が手前から奥、床から天井までびっしり!

この中から、一体どうやってお目当ての反物を探し出すのかと思ったら、
倉庫の入口にあるPCに品番を打ちこむだけで、機械がバーコードを読み取り、
クレーンが勝手に下まで下ろしてくれるのです。

すばらしいですね、バーコード。

大きな機械音の中、長靴をはいた社長様自ら、大声で指示を出され、
加工の技術に誇りを持っていらっしゃる、本当にまじめな会社様でした。

お忙しい中、見学させて頂きありがとうございました。

防炎加工 カナイ整染さんの見学 その1

少し間が空いてしまいましたが、10月初旬に行った工場見学報告の続きです。

縫製工場の次は、カナイ整染株式会社 という防炎加工場の見学です。

群馬にあるこちらの会社は、日本防炎協会から防炎加工実績において、
最も高い評価を得ている会社です。

私は、防炎加工に詳しいわけではないので、専門的なことは分かりませんが、
防炎加工というのは、ドライにしても水洗いにしても、お洗濯によって
効果がなくなってしまうものも多く、なかなか厄介なものなのです。

ということは、加工の技術も、決して易しいものではなく、
加工がうまくいかず、検査が通らないファブリックもあるのです。

以前私も、在庫切れで待っていた国産ファブリックが、
入荷予定を過ぎても入らず、しかも入荷の目途が立たないといわれ、
一体何が???と営業の方に聞いてみると、どうしても防炎の検査が通らない・・・
と言われたことがありました。

そんな難しい防炎加工の第一人者の、カナイ整染さん。

ちょうど、私達が伺った時は、その防炎技術が表彰され、
明治記念館で行われる式典に参加します、と社長様が
仰ってました。

そんな防炎加工を施している工場は、なんと、
工場全体が大きな洗濯機!

そんな工場の写真は、その2でどうぞ。