しつこいけど、遮熱。

そして、もうひとつだけご提案したいのが、

潔い遮熱方法。

何度も申し上げてるように、

機能とデザインは、イマイチ両立してくれません。

でも、毎日目にする窓辺に、

ちょっと気に入らないけど機能優先だから・・・

と、お好みでない生地がかかっているのも悲しい感じです。

そこで、お勧めしたいのが、

レースで遮熱するのはあきらめる!!

もう、すっぱり潔くあきらめる!! ということです。

例えば、以前お納めした こごまま様邸

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こちらも、リビングはL字型に大窓が広がり、

思い切りよく、陽の光が差し込みます。

イケメン三銃士の為にも

夏場はクーラーを効かす必要があるのですが、

こごまま様は、機能よりお好きなデザインを優先。

日差しが差し込む時間は、厚地のスクリーンを下ろしておけばいいから!! と。

そうなんです、私もお勧めすることがよくあるのですが

厚地のスクリーンやシェードなど、上下に昇降するものを

日差しに合わせて、少し下ろしておくだけで、

熱や紫外線が、しっかり遮れるお部屋も多いのです。

しかも太陽は動きます!!

朝から晩まで、厚地を下げる必要は無いはず。

そう考えると、生地を選ぶ幅がぐんと広がります。

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こちらは、以前担当させて頂いたK様邸。

こんな風に、レースの後ろに色が透けるのもきれいですよね。

遮熱カーテン仕上がりました!

さて、前回まで遮熱の色々をお話してきましたが、

百聞は一見に如かずです!

仕上がったお部屋をご覧ください。

こちらは、眺望がどうのこうのと言うよりも、

男性のお部屋だったので、モダンな雰囲気に仕上げたいと思い

クリエーションバウマンの、スチールコレクションという

グレーの地にピンストライプの遮熱レースを使いました。

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熱は遮っても、薄く透ける生地なので、もったり感ゼロ。

すっきりと、都会的に仕上がります。

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クッションの後ろに下りている生地です。

(ちなみにクッションも、ソファのグレーやドアのネイビーに合わせてお作りしました。)

こちらのような生地は、

熱は遮るけど、光は通すのでお部屋が暗く感じることもありません。

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そして、ご寝室のほうは

川島織物の、白地にグレーのボーダーの生地。

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こちらは、遮熱生地ではありません。

透け感が少なく、熱ではなくて光自体を遮る

少し厚手のレースです。

これは、『涼しや』でも『サラクール』でも無いのですが

『涼しや』や、『サラクール』のような白い遮熱レースは

このような雰囲気に仕上がりますね。

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熱を遮る効果のある生地ではありませんが、

厚手と言うことで、ベッド頭上の窓から入る強い西日は

しっかり遮ってくれます。

リビングと雰囲気を変えたかったこと、

また、ご寝室はリビングより柔らかな雰囲気にしたかったので

こちらのレースを使わせて頂きました。

そして、以前ご紹介した、O様邸の遮熱ロールスクリーンと

今回のお部屋の窓辺も、これまた全く違う雰囲気。

太陽光をカットする!

熱を遮る!

という同じ目的でも

選ばれるもので、お部屋の雰囲気は全く変わってきますよね。

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さて、前回ちらりとご紹介した TESOROの生地。

こちらも、とても優秀です。

これは、

セキスイナノコートテクノロジーさんが開発された

masa加工を施されたテキスタイルです。

ナノ単位という、薄~~い金属の膜を生地にがコーティングして、
保温、遮熱、UVカット、静電気防止、などの効果を持たせた生地 のこと。

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しかし、前回の『凉しや』や『サラクール』とどれだけ効果が違うのよ?

どっちがいいのよ???と言われてしまうと・・・

正直、熱を遮る率や、体感がどこまで違うかは

私にもはっきり分かりません。

お使いになるお部屋の向きや階数、陽射しの入り方など

どのお窓も条件は異なりますし、暑さ寒さの感じ方は個人差もあるかなぁと。

また、何より遮熱は遮光と違って1級、2級などという、

統一して決められた基準がないのです。

遮熱率 ○○ % や、遮熱ランクA、B、・・・ というのは、

全て、各メーカーが独自の実験で出されたものです。

しかし、生地の雰囲気の違いは一目瞭然です。

TESOROの生地は、

金属膜が貼られているので、ベースは光沢のあるシルバー系ですが

透け感がある上に、赤紫やグリーン系の色、なんと柄物まで

バリエーション豊富!

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これなら、タワーマンションの素敵な景色も楽しめますし、

ホテルのように、シンプルでモダンなインテリアのお部屋にも

この合わせやすいかと。

また、クリエーションバウマンというスイスのトップブランドからも

遮熱カーテンSILVER AND STEEL COLLECTION が出ています。

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こちらも、

金属コーティングでアルミを蒸着させる技術を採用してある

とのこと。

グレーからシルバー系の、無地やピンストライプの生地で

こちらは、TESOROさんのものよりも、一層モダンに。

どちらかと言うと、男性的な印象を受ける生地です。

さて、このように、様々な仕様と雰囲気の遮熱生地、

効果はもちろん、是非、お部屋の雰囲気に合った生地を

見つけて頂きたいな、と思います。

女性的でアンティークな家具などを入れられているお部屋には、

『凉しや』や、『サラクール』にレースのトリムなどを付けても

よいかもしれませんし・・・

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遮熱機能は必須でも、色や柄を入れて印象的な窓辺をご希望であれば、

TESOROから選んでも!

そして、究極にシンプルに、モダンに・・・ というのであれば

バウマンのコレクションもお勧めです!

では、生地の説明はこのくらいにして、次回は施工事例を ご紹介します。

 

カーテンの遮熱生地 色々 1

陽射しが随分強くなってきました!

暖かくて気持ちいいなぁ~・・・ なんて思っていたら、

先日、化粧品ブランドのお姉さんに

「ダメダメ!もう夏と同じ紫外線です!!

しっかり日焼け止め塗って!!」 と、怒られました。

なんだかいつも、化粧品カウンターでは怒られる。

 

ところで、 お部屋の中にいても、日焼けってするんですよね。

・・・ということで、引き続き遮熱生地のお話です。

カーテンで遮熱というのは、日本人特有の感覚のようです。

でも、至れり尽くせりの機能の追及は、日本人が一番得意とするところ。

まずは 帝人さんの開発された 『涼しや』や ユニチカさんの 『サラクール』

これは生地の名前ではなく、開発された糸に付けられた名前ですね。

その糸で作った、カーテン生地です。

これは・・・

 

糸に金属やセラミックを混ぜることによって太陽光を

反射させる機能を付けた糸(=生地)のこと。

 

そう、たまに『ウェーブロン』という

これまた、帝人さんの糸を使ったカーテン生地を

遮熱カーテンと勘違いされている方がいますが 、これは違います。

『ウェーブロン』は、透けない!ということを目的に作られた 糸です。

熱を反射するという機能を持たせるために、

金属やセラミックを 混ぜたりはしていません。

ただ、透けない=厚手=太陽光カット と言う意味で、

ミラーカーテンやウェーブロンでも

UVカット効果がうたわれているので、

なんだかごちゃ混ぜになってしまいます。

 

そして、『涼しや』 『サラクール』

白い生地のくせに熱を反射するなんて!!

普通の生地に見えるのに、金属だのセラミックだのが入り込んでるなんて!!

と、機能としては 素晴らしいと思うのですが・・・

残念なことに

しっかりした厚手の白いレース、ということで

透け感も殆どない為、窓が白い壁になってしまいます。

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うーーーーん。

機能とデザイン性って、なかなか両立してくれず、

レースカーテンではいつもそこが悩みどころ。

もちろん、通りに面した戸建てや、

他のマンションから、室内が見えてしまう!!と言う場合は、

防犯もかねて一石二鳥の効果もあるのですが、

眺めの素敵なタワーマンションなどに、このカーテンを

入れてしまうのは、ちょっと残念な気も。

そんなお部屋には・・・

セキスイナノコートテクノロジーさんが開発された、

MASA加工を施した TESORO というシリーズの生地もおすすめです。

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遮熱カーテンの選び方

タワーマンションの上層階や

吹き抜けのリビングなど、

素晴らしい眺望や、開放感いっぱいのお部屋は

とても魅力的ですが、1つ、デメリットがあります。

そう、暑い!

とても暑いのです、太陽のパワーはバカに出来ません。

新築のお宅のカーテンをご依頼頂いた、O様のお宅でも

まずは、広々とした吹き抜けのリビングの遮熱を考えました。

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遮熱は言葉の通り、熱を遮ること。

それには、もちろん陽の光をお部屋に入れないのが一番です!

日傘を思い出して頂くのが一番ですが、

とにかく太陽光をシャットアウトするのです。

しかし、カーテンの場合はただ生地を下げて

日陰を作ればいいというわけでないのが、難しいところです。

O様のようなお宅の場合は、熱は遮っても光を入れる必要があります。

吹き抜けの上部のお窓に、分厚いカーテンを下げて、

薄暗いお部屋にしてしまうわけにはいきません。

また、タワーマンションの場合は、熱を遮っても素敵な眺望は

確保しておかなければ。

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ということで、O様のお宅に使わせて頂いたのは

ニチベイさんの遮熱ロールスクリーン 、その名も 『フォスキー遮熱』 ↓

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セラミックを含んだ特殊繊維で、赤外線や紫外線を反射するという

効果がうたわれています。

これなら、光を通すレース生地なのでお部屋が暗くなることなく、

また、すっきりとしたスタイルのロールスクリーンなら

リビングの頭上 、3方向にある窓を全て覆っても、

もったりとした雰囲気になる心配もありません。

暮らしやすくなる機能はとても大切ですが、

カーテンはお部屋を飾るものなので、スタイルを無視して

機能追及まっしぐら!というわけには・・・。

遮熱生地は 上記のようにセラミックを含んだものや

『涼しや』や『サラクール』など、

繊維メーカーが開発した特殊な繊維を使ったもの、

masa加工と呼ばれる、金属コーティングされたものなど様々です。

そして、それらの見た目は全く違います。

とにかく遮熱よ!!!という気持ちで選んでしまうと、

お部屋の雰囲気をぶち壊し、(あ、あれぇ???)ということになりかねません。

ということで、次回はそれぞれの生地のメリットデメリットを

少しご説明させて頂きます。