私の中でイギリスといえば、
女王陛下のいる、ジェントルマンの国!です。
ありきたりで申し訳ありませんが・・・。

ということは、個人差はあれど、お仕事上も比較的真面目な対応をされるのであろう・・・
と、勝手に思い込んでいました。
勝手に。
しかし、甘かった。
やはり、日本人の几帳面さは、
世界でも群を抜いているんですね。
何度もご紹介してるように、エランバックの生地は、素材と柄を選び、
それを先方に伝えプリントしてもらう、受注生産です。

織の違うコットンが2種、
リネンとコットンが混ざったもの、
ブリーチしてあるリネンとしていないリネン等、
シルクとウール!なんて全然違う素材ではなく、
微妙に違うからこそ、選ぶのが一苦労です。
そこで、お客様と相談し、I 社へお願いし、
数種類のサンプルを取り寄せて頂くことになりました。
待つこと数週間。
I 社の K さんから、申し訳なさそうに
“届いたんですが、頼んだものが在庫切れとかで、違うものが入っていて・・・”
とのご連絡。
そして、同封されていたお手紙を拝見すると、
(今、○○のサンプルが無くて、機械も本生産のもので手一杯だから、
サンプルがいつになるか分からないので、違うの送ってみたよ~・・・)
というような内容。
(英語なので K さんにご説明頂く。)
ちなみにこれ↓は、無事届いたサンプルの一部。

いやいや、違うものじゃサンプルにならないんだけどなぁ・・・
親切といえば親切なんだろうが・・・と、
思いつつ、そして K さんの、丁寧な対応に甘えつつ
どうしても必要なものだけ、もう一度お願いしてもらうことに。
すると、今度はわりと早く、1週間ぐらいでサンプル到着。
しかし!やっぱり、欲しいものがなくて、違うものが混入。
だんだん、私も自分が何を依頼しているのか、分からなくなって来る始末。
ということで、サンプルの時点からお客様にご迷惑をおかけしつつも、
なんとか生地を決めて頂き、正式発注となりました。
が・・・
エランバックは、発注してからのプリントなので、生地が日本に届くまで、
約3~4週間かかります。
その間も K さんが、進捗状況をご連絡くださり・・・
2月半ば、やっと生地到着かー!と思いきや、
出荷の段になって、プリントずれがあり、出荷できない!と。
K さんからお詫びのご連絡を頂くも、
いやぁ、そんなこともあるだろう・・・
お客様にご説明して、もう少しお待ち頂けるようお願いしてみよう・・・
と、まだまだ私も、おおらかに考えていました。
また、お客様もご夫婦揃って、海外出張されるような方。
日本以外の国のこともよくご存知で、お待ち頂けることに。
さて、それからまた1週間。
前回ミスのあった生地が、そろそろ出来上がり
出荷されるはずです。
しかし、出荷予定当日になっても、出荷されたかどうかが
分からず、 K さんの確認メールにも、イギリスからのお返事はない模様。
そうこうするうちに、
“やっぱり失敗したから、今回も送ってないよ~。”
的な連絡があったと、K さんから。
え?そろそろ送って欲しいんだけど・・・と思いつつ、
K さんに状況を確認して頂くと、それからまた暫くして、
“プリントの機械壊れちゃったから、ギリシャから修理の職人呼んで
直すよ~、直ったら作るよ~。”
という連絡。
それじゃ、一体いつに!!!???
っていうか、ギリシャから呼ばないと、直せないのか?
イギリスとギリシャって遠くない?ねえ?遠くない?
間に、フランスもスイスもイタリアもありますが。
私も、これ以上遅れたらお客様に顔向けできない、と思いましたが、
私と、イギリスのエランバック社との間に入ってやり取りしてくださった K さんは、
本当に、気が気でなかったろうと思います。
そんなこんなで、出荷しますといわれて裏切られること3回。
K さんと、
“生地が飛行機に乗って、荷物番号が分かるまで安心できませんね!”
といいつつ待ち続け、結局、注文から1ヶ月と2週間で、生地到着。
状況をご理解下さり、長い間お待ちくださったお客様と、
ギリシャから職人がぁ・・・なんていってる、エランバック社に、
気合を注入し続けて下さった K さんに感謝しつつ、お仕事は終了しました。
しかし、エランバック社をかばうわけではありませんが、
これは、決して特別なことではないんです。
その他ヨーロッパの会社でも、似たようなことはいくらでも。
そういうことがある度に、日本国内メーカーの几帳面さ、
かゆいところに手が届くサービスに、頭が下がります。
あまりの細かさ、丁寧さ、清潔さに、海外では敬遠されがちな
こともあるらしい、ジャパンクオリティ。
それに慣れてしまった、私達の欲求を満たす為に、
デリバリーに、在庫にと、日々努力して下さっている、
輸入会社の方々には、本当に感謝です。