明日は母の日

母の日の準備をすっかり後回しにしていて、昨日仕事帰りにデパートに駆け込みました。

今年は何にしようかと迷っていたら「寝具市」の案内が。夏用の軽くて涼しいケットにしようと思いつきました。

始めは、綿麻のタイプにしようかと思いましたが、色々迷って綿と和紙を使ったウォッシャブルのものにしました。

理由は、麻は少々重たいこと、それから、ちょっとゴワツキのある麻だったので、これなら和紙のほうが快適なのではないかな?と思ったことです。

買ったのは、こちら。

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縦糸が和紙と綿の混紡、横糸が綿とポリウレタンの混紡。
縮み加工がされていて、ふんわり。生地と肌の間に風が通ります。

涼しげなピンク。気に入ってくれるといいのですが。

さて、さきほど麻のごわつきが、と申しましたが、麻ってどんな繊維なんでしょうか、というお話を次回に。

石を積む人

ゴールデンウイークも残り数日。皆様がお休みの時に働くのが我々の仕事。

行く先々で「大変だね」「休みの日にありがとう」といってくださるお客さま方。

こちらこそ、大事なお休みの日に会ってくださってありがとうございます。

 

…とはいえ4月の最後の何日かは、私もお休みをさせていただきました。

まあ、ヒマになると、人間ろくなことを考えません。

4月の中ごろに仕事でちょっとがっかりするようなことがあったもので、

休みの数日間はうだうだ、うじうじ、ひねくれておりました。

 

そのひねくれてる間に出会った、短いお話について。

 

道端で石を積み上げている2人の職人に、通りがかりの旅人が尋ねました。

「あなた方は、何をしているのですか?」

一人の職人は「石を積んでいます」と答えました。

もう一人の職人は「教会を作っています」と答えました。

 

…これだけです。

これだけですが、わたくし、あ、っと思ったのです。

 

「インテリアコーディネーターの仕事って、何をやるの?」

と知人に聞かれたとき私は、

「カーテンを売ったり、部屋の家具のコーディネートを考えたり、

あとは、あ、図面を書いたり、見積もりも作ったりするよ♪」

と答えていました。

仕事の内容があまりにも多岐にわたるのでどう説明していいかわからず、

単なる作業の羅列になっていたのです。

この答え、全然エキサイティングじゃありません。

「石を積んでいるんです」と答えた職人と同じ。

 

じゃあ、インテリアコーディネーターとして私がしていることって、どういうことなのか、

「教会を作っているんです」のような答えは?

頭を悩ませました。

 

私がしている仕事はたぶん、

「すまいを快適・便利に、住む人が楽しくなるような提案をして、その実現の手助けをすること」

なんじゃないかなあ。

そんな風に考えたら、あの時のがっかりはちょっと横に置いて考えることができるような気がしました。

 

そういえば、私の尊敬するこの業界のとある先輩は、

「空間のデザインで人を幸せにすること」が仕事だとおっしゃっていたのを思い出しました。

いつも生き生きと、そして真剣に仕事に取り組んでいる方です。

 

先輩のように仕事に取り組むには、やはり心もちなのですね。

私はまだまだ先輩のような仕事はできませんが、心もちだけでも近づけたらいいな。

 

 

 

続々)坂茂(ばんしげる)展を見てまいりました

水戸芸術館で開催されている、坂茂展。

 

坂さんが手がけた美術館など、

大きな建築のことはよくわからず、「すごいなー、かっこいいなー」

という感想くらいしか出せないのですが、

女川のコンテナ仮設住宅については感じる部分がありました。

 

 

急ごしらえで作り、決められた期間で取り壊されてしまうのが仮設住宅。

工期短縮・コストダウンは命題です。

 

そんな命題を抱えつつも、

少しでも住み心地のいい住まいにしたい、

住む人にとって「仮」の住まいではあるけれど、ホッとできる空間にしたい。

設計者の坂さんは、そんな気持ちでこのコンテナ住宅を設計したのではないかなと、

見て回るうちにそんな風に思えてきました。

 

今日は、そんな風に思うに至ったポイントを3つご紹介します。

 

ポイント1は、室内の色使いについて。

ホワイトをベースカラーとし、木の持っているナチュラル色をメインカラーに。

そして、収納や脱衣場を仕切るカーテンのダークブラウンがアクセントカラーになっていて、

何気ない組み合わせですが、きちんとコーディネートされています。

 

色に関して言うと、ココも見逃せません。

ソフト巾木です。

ないがしろにされがちなこの部材の色まで、

タイルカーペットときちんと色合わせされています。

 

何気ない色使いですが、目に優しい穏やかな色合いで違和感なくコーディネートされている。

それがこの部屋の居心地の良さを作っているように思えます。

 

 

ポイント2は、収納です。

リビング・ダイニングには壁付のオープン収納。

 

ダイニングには押入れのような収納も。

 

個室にもたっぷりの収納が。

家具を買い増さなくても、かなりの物が収められるのではないでしょうか。

カーテンで目隠しができるのもうれしいです。

扉を付けるよりも圧迫感がないですし、室内が広く感じられます。

カーテンは、工期短縮・コストダウンにも一役かっていそうです。

 

同じ間取りに暮らしていても家族構成はそれぞれ違いますし、暮らし方も違うでしょう。

大容量で、幾通りもの使い方ができそうな収納です。

 

 

さて、3つめのポイントは、外にあります。

 

日当たり・雨がかりが考慮された、長めの軒。

外の天候は室内の居心地も大きく左右しますよね。

それを調整するのが軒の役割だと思います。

それから、軒先では隣近所に住む人、通りがかりの知り合い同士がちょっとおしゃべり。

室内と室外の中間の、コミュニケーションスペースとしての役割もあると思うのです。

コストのために長さが削られてしまいそうな軒ですが、大事な大事な存在です。

 

さて…3回にわたって紹介した、「坂茂展」でした。

(おもに女川のコンテナ住宅ばかりでしたが)

 

 

水戸は、のびのびしていて、アート展やカフェ文化なども充実した街です。

週末・ゴールデンウイークなど、どうぞ遊びに行ってみてくださいね!

 

(私の今週末は、納品とお打ち合わせなど…てんこ盛りです……働きます!!)

 

続)坂茂(ばんしげる)展を見てまいりました

前回に引き続き、坂茂展の様子を。

 

通常、美術館の展覧会というのは写真撮影厳禁ですが、 今回の展覧会は写真撮影OK!

坂さんのご意向なのでしょうか。

おかげで皆さまに、こうして報告ができます。

 

さて、女川の仮設住宅。玄関から見た室内。

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ダイニングキッチンの奥に、リビングルーム。

仕切りはアコーディオンカーテンです。

右手奥にはドアを隔ててもう一部屋。1LDKの間取りです。

 

 

アコーディオンカーテンの奥には、リビングの収納。

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壁に直接取り付けられた箱は、ボランティアの方たちが組み立て、付けた物だそうです。

 

 

くるっと回って、リビング側から見たダイニングキッチン。

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ダイニングキッチンには、カーテンを利用した収納が。大容量。

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ダイニングテーブルは、坂さんの建築でも使われる紙管が脚になっています。

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キッチンの左手奥には水まわりが。

カーテンで隠せる脱衣所と洗濯機置き場。

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お風呂は洗面台つきのユニットです。

トイレは別にあります。

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独立したもう一部屋はこんな感じです。

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大容量の収納ですが、やはり圧迫感を感じない作り。

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建築雑誌などで見てこの女川の仮設住宅については知っていたのですが、

実物を見ると心に感じる部分がありました。

 

その内容についてはまた次回に。

坂茂(ばんしげる)展を見てまいりました

水戸市で開催中の「坂茂展」を見てまいりました。

 

 

坂茂(ばんしげる)さんは、世界で活躍する建築家。

構造そのものが美しい建築(美術館など)を多数設計していらっしゃいますが、

一方で、災害時・非常時に人が快適に暮らすための空間を、

安価で手に入りやすく、再生可能な材料で提供するプロジェクトも手掛けています。

 

東日本大震災では、坂さんが設計したコンテナ仮設住宅が女川に建築され、

避難所の体育館で紙管とカーテンによる間仕切りが利用されました。

 

さて、展示会場の水戸芸術館。

中庭には、実際に女川に建設されたのと同じコンテナハウスが建築されていました。

外側は、気持ちが明るくなるような色合い。

 

玄関に回ると…

しっかりと屋根が伸びていて、大雨が降ってもぬれずに室内に入れそうです。

 

建築コストばかり重視するのではなく、

住む人への気配りがされているのだな~、と感じました。

 

競技場に建築された、仮設住宅の模型。

1階・2階・3階と、窓の位置が互い違いになっています。

間取りは何種類かあるらしいです。

 

さて、仮設住宅の室内の写真、そちらはまた次回ご紹介します。