八千代市の住宅① 西日をカット 階段から涼しく

新築の住宅にお引っ越しされたYさま。

お引っ越しに合わせてカーテンレールだけをお納めし、仮掛けカーテンでしのいでいただくことおよそ1か月。

仕上がったカーテンをお納めしたのは良く晴れた5月の午後でした。

 

階段には大きな窓。向きは北西向きです。

写真 2015-03-09 15 11 36[1]

 

 

日の高いこの時期、西日はやや北よりから入ってきます。

つまり、北西向きの窓は、暑い!!

 

ということで、当初より遮熱のロールスクリーンをお勧めしておりました。

 

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(TOSO コルトエコ)

 

窓の開きに合わせて、2台に分割。

取り付けた瞬間から、日傘を差したように涼しくなります♪

 

階段はとってもシンプルな白いロールスクリーンですが、他のお部屋はどんなでしょうか?というのは次回!

モデルルームの子供部屋。天蓋と、テント型の装飾

昨年秋にお納めした、宇都宮のモデルルーム。建築中からご相談を受けた案件です。ホームデコアでは、子供部屋の装飾を担当致しました。

イメージを実現するために、デザイナーさんと一緒に色々と知恵を絞って完成したのがこちら。

ベッド上の天蓋と、  

テント型の装飾。 

インテリアデザイン:有限会社カサゴラコーポレーションhttp://casagora.net/

天蓋は、正面付のカーテンレールにのれんのように生地を通しています。 

事前にサンプル生地を持って現場でもお打ち合わせ致しましたが、納品当日に付けてみると真ん中のたるみが長すぎ。

現場は遠く宇都宮。ミシンなんてありません。さて、どうする!?と、衣服のリフォーム屋さんなどに電話しましたが当日にお直ししてくれるところはありませんでした。

何か方法はないかな?と出かけた100均で、買ったのは小さな裁縫セットとマチ針。手縫いでゆっくり、曲がらないように…棒を通す袋の部分を2重にしたら、下からは見えないしちょうどいいたるみに。良かった!

さて、テント。

当初のご相談は、カーテンの部材でテントを作りたいとのこと。さて、どう作りましょう?

ホームデコアのお店のメンバーや縫製業者さんなど、誰に聞いても、板で作った箱に生地を貼りつける、という回答。カーテンの上飾りならばそれでOKなのですが、出入り口の上なので、下からゴツい板が見えちゃう。

テントの生地が光に透けること、自然に揺れることもイメージの上でとても重要。軽やかさが違います。

それで、こうなりました。

テントの生地の取り付け前の様子がこちら。  

カーテンの上飾り用のレールを使い、フレーム状にしました。

店舗などのテントは、斜めの部分にも骨が入っています。上飾り用のレールでは作れなかったので、生地を引っ張るようにしながら取り付けました。この作業が意外に大変で何度も何度も貼り直しました。

その甲斐あって、下から見ても、割とスッキリ。  

Tさま、この度はありがとうございました。素敵なモデルルーム作りに参加させていただき、たくさんのことを学ぶことができました。

またお邪魔いたしますので、お昼をご一緒させてくださいね!


 

オーダーカーテンの裏舞台-特殊加工編、人編

滝本がほとんどのカーテンの縫製をお願いしている、愛知県のS社。 

勉強会と工場見学の様子をお伝えするブログも本日が最終回です。 

オーダーカーテンの裏舞台。受注管理、生地断ち編耳編、裾編、そして吊り元編を経まして、特殊加工編、人編をお送りします。

特殊加工編

☆超音波カッター
超音波の細くて早い振動から摩擦が生まれて、高温で生地をカットしたり繋いだりする技術。です。
ポリエステルを含む生地に向いています。色違いの生地を、あっっと言う間に接合。

あっ!

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と言う間でした。 

 ☆レーザーカッター
複雑なカタチの切り抜きができます。

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裏にごく薄い生地を貼ってます。

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こんな光が落ちる、素敵なロールスクリーンが作れます!

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☆デジタルプリンター 

どんな図柄でも布地にプリントできてしまうデジタルプリンター。
実はまたお試しの段階…だそうです。

☆スワロフスキー☆ 

超音波を発生するペンのような機械で…

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ボタンをポチっと。

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たったこれだけ。

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キラキラのスワロフスキーがしっかり生地につきます!

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オーダーカーテンの裏舞台、

最後に、人編。 

工場見学の最初に、I社長が話したこと。
「工場は、どこを写真に撮ってもかまいません。撮らないでというところは一つもありません。ただし、うちの取り引き先がわかるような生地やブランドのロゴだけは撮影しないでくださいね」
とのこと。 

取り引き先を明らかにしないのは当たり前として、どこでも撮影OKの工場見学、実は初めてです。 

☆真似できないのは何か 

見学を進めるうちに、I社長がなぜ写真を撮ってOKと言ったのかが分かってきました。
ミシンや特殊加工の機械。沢山の道具。それらを使って製品を作るのは、職人さんの手です。特に機械に頼らない工程が多いS社の仕事は、機械だけを真似ても同じ物を作ることはできません。 

2月末の繁忙期にお邪魔したにも関わらず、職人のみなさんはとても感じよく対応してくださいます。ですが決して手は休ませません。

社長のお母様が、「息子に殺されますわ〜(笑)」などと軽口をたたきながらカーテンの裾を縫うかと思えば、丈を測る年配の職人さんを指して、「あの職人は48年うちにいるんですよ〜、俺、2歳からですよ〜」などとI社長。 

研究熱心な職人さんのアイディアを元に、機械のメーカーさんが製品改良して新しい商品が生まれた、という話や、アルバイトから入ってそのまま社員になり、今では欠かせない立場の若い職人さん、など…。 

エピソードが、本当に沢山出てくる出てくる! 

この職人さんたちが日々真剣に仕事に取り組んでいるお陰で、私たちがお客様にカーテンを届けることができるんですよね。 

ああ、やっぱり、S社に仕事をお願いして良かった。いえ、お願いできて良かった、と心から感じたのでした。 

と、いい話でまとまったところで(笑)、
まだまだ紹介したいことは沢山ありますが、オーダーカーテンの裏舞台、最終回といたします。 

このやたら長〜いハナシを読んでくださった方、我慢強さに感謝いたします! 

そしてI社長はじめ、S社のみなさん、勉強会を企画してくださったC社のYさん、ありがとうございました。 

また次も、よろしくお願いしますね!!

(豪華お弁当、美味しかったです♪)

オーダーカーテンの裏舞台-吊り元編

愛知県のS社へ、勉強会と工場見学に行って参りました。
S社は、滝本がほとんどのカーテンの縫製をお願いしている会社です。

受注管理、生地断ち編、そして耳編、裾編に引き続き、オーダーカーテンの裏舞台-吊り元編をお送します。

吊り元、というのはカーテンの一番上の部分です。
写真は、ワンプリーツといって、ひとつのヒダで山をひとつ摘んだタイプのもの。

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他にも、3つ山、2つ山、ハコヒダ、ゴブレット、フラット、ハトメ…などたくさんのスタイルがあります。
どのスタイルにも共通しているのは、最初に「芯地」巻いて縫い込むということ。

これが芯地です。

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☆芯地の使い分け
カーテンの生地の厚さや性質に合わせて、S社では7種類の芯地を使い分けています。カーテンの生地が代わるごとにミシンに芯地をセットしなおします。(レジのレシート交換みたいな感じです)

口を開けば喋りっぱなし、聞いてるこちらは笑いっぱなしのI社長いわく、写真の右側の物はS社が特許を持つオリジナル芯地だそう。

(null)(こんなふうに山を作りやすい芯地なんですよー!と何度も折ってみせるI社長)
見えなくなるパーツにも技術と秘密が。美しいカーテンのため独自の研究を重ねるS社です。

芯地の縫製を終えたカーテンは、最後に山の縫製へ。

☆手作業で縫製される「山」
S社のカーテン、山がすごい!
1枚1枚寸法を計算して、手作業で山を作り、縫い止めます。
…それって当たり前なんじゃないの?って、思うかもしれませんね。実は…当たり前ではないのです。
山の縫製の当たり前は、今や機械縫製。タッチパネルで寸法などを入力すると、自動のアームが山を折ってミシンまでかけてくれます。早くて、正確。
どんな機械も作ってしまう日本の技術。すごいですが、機械には機械の限界が。
ミシンがけのように端から生地を引っ張って送るので、作られた山はほんの少し片側に偏ったり寝たりしてしまうことがあるのです。

手作業でひとつずつつまんだ山は、全て正面を向いています。畳んだ時も、均等できれい。職人さんの技術の賜物です。

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もうひとつ、S社の山のこだわりを。
山の縫製は、コカ・コーラ社のボトルを逆さにしたプロポーションを意識しているそう。

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こんな感じですか?I社長!?

さて、山を縫ったカーテン。フックを差し込んで完成です。

☆S社の特許、ポラリスフック
ポラリスって、北極星のことですね

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こちら側を山の裏側に差し込みます

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すべての星が北極星を中心に回るように、カーテンの生地がフックを中心にウンヌンカンヌン……とI社長。
へえ〜、I社長って話が面白いだけじゃなくて意外にロマンチストなのかしら〜?なんて思って聞いていましたら、…どうやら肝心な部分を聞き逃したようです。(汗)
…とにかく、この部分でフックが生地に固定されて安定するので、スッキリとシワのない吊り元が実現する…みたいなことです。

なんとも締まりのない終わり方をした吊り元編ですが、オーダーカーテンの裏舞台、次回で最終回です。
最終回は特殊加工編、人編をお送りします。

オーダーカーテンの裏舞台-耳編、裾編

はるばるやってきた愛知県のS社。
滝本がほとんどのカーテンの縫製をお願いしている会社に、勉強会と工場見学でお邪魔しました。

オーダーカーテンの裏舞台。受注管理、生地断ち編に引き続き、本日は耳編、裾編。S社の何がスゴイのか、をお送りしますね。

耳編
カーテンの耳。コトワザ的な意味ではなくて、ココのことです。

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☆フリーハンドの職人技
耳は、生地の端を2回巻きながら縫います。それをサポートする「ラッパ」という金属の道具があります。始まりをきちんと差し込めば一定の幅でずっと生地を折ってくれるスグレモノ。
スグレモノですが、コレ、S社の耳縫製では使っていません。ラッパを使わない場合、1回1回定規で幅を図ってミシンで縫います。
難易度が高く、手間がかかる縫製。
それなのにラッパを使わないのは、どうして?I社長!?

(null)(これがウチのキモです!と、定規を振るI社長)

口を開けば喋りっぱなし、聞いてるこちらは笑いっぱなしのI社長いわく、ラッパを使うと耳の中に2ミリくらい生地の隙間ができてしまうんですって。
隙間に、光が透ける。
それはS社のクオリティとしては「なし」なのだそう。

☆耳の幅が、自由自在。
そういうわけでラッパを使わないS社。
1枚1枚手作業で耳の幅を決める、イコール、耳の幅を1枚ずつ自由に設定できる!
狭いものでは5ミリ幅から。5ミリ単位で幅を設定できます。

(null)(耳が5ミリ幅の生地。ほっそりしていて、繊細。丈を決める工程を撮りました)

おまけ、丈決め編
このような「リフター」を使ってカーテンの丈を決めます。

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裾編
☆本縫いウエイトテープ
裾の折り返しがでないウエイトテープ。透け感のあるレースカーテンにオススメの縫製です、
一般的なウエイトテープは糸でグルグルグルとかがるので、裾の部分は1色。直線をひいたようになります。

こちら、本縫いウエイトテープ。

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ウエイトを布で巻くので、多色使いの生地も仕上がりが綺麗!

職人さんの技と気配りの積み重ね。多彩な縫製仕様。ああ、頭が下がります。
いつもあれこれお願いする私のワガママは、こうやって叶えられていたんですね。
職人さんたち、いつもありがとうございます!

次回は、カーテンの裏舞台-吊り元編をお送りします!!