カーテンの形態安定加工

カーテンの形態安定加工についてお話します。

国産のカーテンでは、形態安定加工をすることは当たり前になっている昨今です。

これは、ポリエステル素材の特性である熱可塑性を生かして、生地に美しいウェーブの形を覚えさせることを言います。

生地が持つ硬さや反発力による型崩れや裾の広がりを抑え、カーテンヒダの山と谷の丸みを整えながら美しいドレープを楽しむことが出来るのです。

国産のメーカーの場合、其々呼び方が異なりますが、大きく大別すると2通りの方法があるのです。

1つは、生地の状態から両端の部分と裾の部分を仕上げた後、波型の型紙にはめてし真空釜に入れて蒸気セットし、ウェーブの形を付けます。その後、上部の山部分を仕上げるやり方です。

もう1つは、縫製を仕上げた後吊った状態でカーテンを整えながらスチームの力で美しいくせを付けるという方法です。
私たちはこれを簡易形態安定加工と呼んでいます。

どちらも、カーテンを閉めた状態で美しいスタイルを保つことができますが、上記の方が手間が掛る分だけやはり丈夫で、お洗濯の回数による型崩れにも強い威力を発揮します。

その分、加工費用も若干お高くなりますし納期も余分に掛ってきます。当店では、使用する生地のグレードやご予算により使い分けています。

 

上の写真のように閉めた状態だけでなく、両側に開放した状態でもきれいにたたまれるのでスタイリングをする手間がかかりません。

以前は、ポリエステル100%の素材で、メーカーで試験されているものでしかこの加工をすることが出来なかったのですが、生地の組成がポリエステル60%以上であれば出来るようになりました。

上の写真はオランダ製の輸入の生地です。組成はポリエステル64%コットン36%です。真空釜による形態安定加工を施した状態です。

蒸気セットするので多少縮むのですが、後から上部を仕上げるので寸法も問題ありません。

実はここは窓ではなく、開口部の間仕切りです。生地は風通織でボリューム感があり、開放した時にきれいにまとまらないと良くなかったのですが、写真のように美しく形態安定を掛けて収めることが出来ました。

やはり、カーテンは生地のデザインや素材感ももちろん大切ですが、加工や取付けなどの表現によって一つのインエリアエレメントとして成り立つのです。

カテゴリー: テクニック   作成者: DO パーマリンク

DO について

ファブリックメーカーからリフォーム会社の勤務を経て現職に。インテリアに対する探求心は尽きず、日々新しい発見を求めて飛び回っています。 インテリアエレメントの素材を見る目、物作りへの拘り、そして、建築の知識と経験を活かしてお客様の理想の空間を演出します!

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