前回の母の日のプレゼントの話題から、「麻」について簡単に解説を。
洋服やタオルなどのタグに見かける「麻」の表示。
実は日本では、「麻」と表示される繊維は2種類あるのです。
高温多湿な東南アジアや南米などで栽培されている「ラミー・苧麻(ちょま)」と、
気候の涼しいヨーロッパやロシアで栽培れている「リネン・亜麻(あま)」。
2つは全く異なる植物なのですが、同じ「麻」として表示されます。
どちらも吸水性・放湿性に優れており、伸び縮みしやすい生地ですが、違いもあります。
ラミーは繊維が硬く、生地につやが出ます。非常に丈夫な生地になります。
反面、チクチク感やごわつきを感じる部分があります。
日本でも、古代から使われてきた生地です。
リネンは、非常に汚れが落ちやすく、肌触りが柔らかくてしなやか。洗濯にも強い生地です。
生地になるまでに手間のかかる繊維なので、高級なものは絹にも匹敵する値段になります。
こちらは、日本に入ってきたのは明治期とのこと。
似た性質もありますが、全く違う2つの麻。
日本では、リネンとラミーがまざっていても、そうでなくても、表示は麻100%となります。
(輸入の生地は、LINENとRAMIEは分けて表示されています。)
肌に触れる場合。ラミーではちくちくしてしまう人もいるようです。
前回のブログで、母の日に選ばなかった綿麻の肌掛け。
ゴワゴワ感からすると「ラミー」が使われていたと思います。
そんな理由で「紙」が使われているもののほうを選んだという次第です。