ネイティブアメリカンの軍旗~アンドリューマーチン~

さて、前回お知らせした、アンドリューマーチンの生地ですが、
お客様にご紹介したのは、ビートルズでなく、こちら。

ネイティブアメリカンの部族間の争いの時に、
本当に使用されていたという、軍旗をデザインしたものです。

部族間の争いの真っ只中で、はためいていたであろう旗ですが、
これが、可愛いい!とても可愛いいのです。

ネイティブアメリカンの皆さん、センス良すぎ。

旗の生地

写真左側はイメージ写真で、実際の生地は右側の赤い部分のようになっています。

8種の旗が2列4段に並び、それが1リピート。
(リピートというのは、柄の繰り返しを指します。)

そして、この1リピートで、 53,900円 !

なかなかいいお値段ですね。

価格も価格だし、奥様ご希望の、爽やかな北欧系とは
ちょっとイメージが違うし、気に入って頂けるかなぁ~と思いながら
写真をお送りして見たところ・・・

奥様はもちろんのこと、
(主人も、娘も、皆、ものすごく気に入りました!)
とのご連絡。

私は、部分使いを考えていたのですが、
(カーテンにしてしまいたい程、家族全員気に入っています!)
とのこと。

やったぁ~♪ と喜びつつも、
さて次は、これをどう使うかが問題です。

普通の生地と違い、かなり厚手の生地に、アップリケが施されていますので、
カーテンには仕立てられません。

DSC_0511
また、シェードにしても、うまく折りたためないだろう、とのことですので、
やはり、これに合う生地でカーテンを作り、軍旗はクッションカバー等で
ポイントにさせて頂くのが1番です。

そこで、今度は、これに合わせる生地探しです。

・・・合わせたのはこちら、フジエテキスタイルのコットン生地。

高橋様旗の生地色合わせ1_640

高橋様旗の生地色合わせ2_640

私は、この生地が好きでしょっちゅう使わせて頂いているのですが、
今回の、軍旗の生地との相性もぴったり。

ベージュ系をリビング、ブルー系をご寝室に
ご提案させて頂くことにしました。

執着心

先日お会いしたお客さまが、私のブログをご覧になり、

岡本さん、1件1件への思い入れが強そうですね、と
仰いました。

そうなんです。

納品が終了した後は、あー、もっとこうするべきだったなぁ・・・
あーあそこは喜んで頂けたよなぁ~・・・等、
しつこく考えてしまいます。

粘着質なのか・・・。

お客様にしてみれば、全く気にされない部分でも、
日々、カーテンを見ている身としては、
小さなことがとても気になって、(もう一度作りたい・・・)
なんて思ってしまうことも。

ブログを書く頃は、
お客様に納品してから、随分日が経ってるのですが、
写真を見たり、文章を考えたりしているうちに、
打ち合わせ内容から、お客様との雑談までもが、
まさに走馬灯のように、ぐるぐると浮かんできます。

さて、そんな思い入れのある現場を、また一つご紹介させて頂きます!

こちらのお宅は、最初から最後まで、奥様とだけお打合せをし、
奥様が、私との打ち合わせ内容とご家族の希望を擦り合わせて
下さったのですが・・・。

奥様のご希望は、北欧ファブリックの、
ナチュラルで、鳥や、木、花や、川がデザインされたもの。

BL5_640

しかし、どうもご家族様は、
もう少しモダンなテイストのものを望んでいらっしゃるご様子です。

ただ、奥様はポリエステルの光沢のある、つるんとしたカーテンで、
ホテルっぽく納まってしまうのは、お好きでないとのこと。

うーーーーーん、両方のお好みをまとめるには・・・と考えているうちに、
“家族で新居の家具を買いにいきました!”とご連絡がありました。

それは、奥様のナチュラルなご希望とは少し外れて、
ガラスの天板のダイニングテーブルや、シックな色味のソファ、
黒くて光沢のある大きなテレビボードに決まったとのこと。

奥様も、なんだかナチュラルな感じではなくなってしまって・・・
と仰ってましたが、さてどうしたものかと。

そうこうしているうちに、奥様とのお打合せの中で、ご主人様が、
ネイティブアメリカンの雰囲気がお好きで、バイクにも
乗っていらっしゃる、とのお話が出て来ました。

ぴーん!

ネイティブアメリカンといえば、アンドリューマーチンに
素敵な生地が!!

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こちらはその、アンドリューマーチンの、インパクトある
ビートルズのファブリック ↓

P3041365_640

ジョン・レノンさん、顔大きすぎでは???

2枚重ねのレースカーテン

私もたまに作らせて頂きます、2枚重ねのレースカーテン。

1枚では、透けてしまうのが不安に思われる、
レースを1枚あっさり下ろすより、少し飾ってみたい・・・等、
目的はお客様によって様々ですが、
何の変哲もないプレーンなボイル地を使っても、
なかなか可愛く仕上がるので、
エレガントな雰囲気がお好きな方にはお勧めです。

もう、子供っぽいプリント生地は卒業、
という、ちょっとお姉さんになった
小学生のお嬢様などにもいいかも♪

P5212064_640

こちらは、上部を縫い合わせ1枚に仕上げているので、
レールは1本でOKです。

当然、手前のレールに厚地をかけることが可能です。

また、このスタイルは、上側のレースを美しくたるませる為に、
少し長めにカットしていますので、上のレースを下ろすと・・・

P5212062_640

こんな感じ。

ですので、上のレースをおろして使用することは出来ませんが、
束ねたままであれば、開閉も可能です!

無地の2枚重ねでなく、上に柄物のレースがきても
可愛いいですよね。

生地感の違いから寸法間違いまで・・・。

さて、前回の素敵なウッドブラインドをご注文下さった
お客様ですが・・・

LDは、当初からお決めになっていたウッドブラインドが
素敵に納まり、お客様も喜んでくださったのです。

しかし、問題はご寝室。

まずは、単純な私のミスですが・・・

レールの取り付けと、クローゼットの干渉の
確認を怠り、レールをWで外付けにすると、クローゼットの扉が
開けにくくなってしまうのです。

こちらは、レールを1本窓枠内付け、1本は外付けに
取付けさせて頂く事に変更です。

そして、次は生地。

ご寝室のイメージは、まだ決まっていらっしゃらなかったので、
まず、生地からご相談させて頂きました。

目を引く鳥柄等をご検討の後、奥様が一目惚れされたのが、
オランダのアイフィンガーの黄色のボーダーレース。

兼井邸9_640

麻の入った、少しざっくりとした生地に、くすんだ黄色のボーダーが、
グラデーションのように入った、とても美しい生地です。

これでレースはばっちり。

これを部屋側に持ってきて、これに合わせた、ベージュ系の遮光の厚地を
後に入れるはずでしたが・・・出来上がってみると、この厚地がなんだか白い。

ベージュというより、青みがかった白なのです。

私も、かけた途端、なんだかイメージと違うような???と
思ったのですが、まさか自分から、
「イメージと違いますね。」などと、無責任なことを言うわけにはいきません。

ううむ・・・と心の中で思っていたところ、
奥様が、「なんだか考えていたのと違う・・・。」と。

カーテンは、小さなサンプルを見て、大きな面にかかった様子を
想像しなくてはいけないことが殆どです。

10cm四方ぐらいのサンプルが、実際に2M前後の
カーテンに仕上がると、多少色味が違うな、と感じることも、
ないとはいえません。

実際に人の目は、小さなサンプルより大きな製品になったほうが
色を薄く感じます。

もちろん、その度に、イメージとなんか違う・・・といって、
作り直してるわけにはいきませんし、お客様に出来る限り的確に、
出来上がりの雰囲気を捉えて頂くのが、私達の仕事です。

が、しかし、違い過ぎる・・・。

私も、メーカーに連絡し、
出来上がった品物と、事前に頂いたサンプルは
同じ生地でしょうか?と聞いてしまったほど。

ということで、こちらはお客様とご相談し、
別の生地で作り直すこととなりました。

そして、1週間ほど後、
再度、遮光の厚地を納めに伺ったところ、
なんと今度は、40センチ巾のお窓に、4M巾のカーテンが
出来上がっているではないですか。

私も、箱を開けた時点で
???
とは思っていたのですが、
カーテンはキレイにたたまれ、リボンやテープで
束ねられて納品されますので、取り出してみるまでは、
自分が何に違和感を感じているのか、よく分からなかったのです。

しかし、取り出してみると、大きい、大きすぎる。

滅多にないことですが、
縫製所が、単位を間違えて縫製してしまったのです。

かさねがさねの失敗に、
本当に穴があったら入りたいとは、このことでした。

しかし、そんな数々の失敗も、ご夫婦揃って
おおらかに受け止めて下さり、今度こそ!の思いで
納品させて頂いたのがこちら。

兼井邸7_640

光りを透かすと、ボーダーがぽわっと浮かび、
とても幻想的な雰囲気。
生地のナチュラルな素材感も素敵でした。

(実は、下のほうで茶色く丸まったお布団の中で、徹夜明けのご主人様が熟睡中。)

そして、お嬢様のお部屋には、
スペインのリオマのレースを手前に、
後にベビーピンクの無地を入れて、明るく、可愛く。

人懐こいお嬢様に、ピッタリの雰囲気となりました。

兼井邸5_640

こんなに、数々の失敗をしてしまったにもかかわらず、
終了時には、
「今度、(奥様特製の!)カレーご馳走しますから食べに来て下さい!」
と言って下さったK様。

ありがたいやら、あの奥様の、芸人顔負けの
面白いお話しが聞けなくなるのが名残惜しいやらで、
少し寂しく思っていたところ・・・

なんと、1ヶ月ほど経ったある日、
「引越し荷物が片付きましたので、是非どうぞ!」

というお誘いが。

面白話しに耳を傾けつつ、本当に美味しいトマトカレーを
堪能させて頂きました。

思いで深いK様のお仕事、
嬉しくて舞い上がってしまい、カレーの写真を撮り忘れたのが
なんとも心残りです・・・。