お客様VS私

夏の終わり頃に初めてお会いし、いよいよ
来月末に、納品のお客様がいらっしゃいます。

こちらのお客様のセンスとこだわり、そして、
行動力が素晴らしいのです。

建築が始まる前から、デザインセンターに足を運び、
ウール100%のカーペットの在庫を抑え、
カッシーナのソファを注文し、
フリッツハンセンの椅子を手配し・・・。

それを、ご主人様自ら足を運び、情報を集め、
一つ一つ確認し、ご注文になっているのです。

勿論、内装にそこまでこだわっていらっしゃるのですから、
建築物自体も、材質から使い方までしっかり吟味し、注文なさっています。

私は、打合せの度に驚かされ、感心させられてばかりです。

しかし!
感心してるばかりでは、私の存在意義がなく、申し訳ないので、
カーテンの生地やデザインが、無事決まったところで、
プラスで、クッションをご提案させて頂くことにしました。

お客様に負けず、私もお役に立たなくては!

お客様の選択眼にかなうもの、そして、インテリアに負けず上質で、
シックでも華のあるクッションを・・・。

ということで、8種類考えてみました。

表面と裏面、パイピングと、全て違う生地の組み合わせで8種です。

私が、Bestと思っていたものを、奥様も一目で、これ!と。

最終的に、ご主人様がどれをお選び下さるのか、楽しみです。

無垢の床材に珪藻土の壁、革張りのソファ、
ロイヤルブルーのB&Oのスピーカー、
そこに、リネンのシェードと、バウマンのバーティカル。

私が引っ越してきます!!といいたくなるようなお宅が、
もうすぐ出来上がります。

防炎加工 カナイ整染さんの見学 その2

さて、前回ご紹介したカナイ整染さんの工場の写真です。

まず、この大きな釜で、薬品に着けたり染色したりの処理をします。

中はこんな感じ。

加工した生地を、超大型洗濯機のようなもので洗いに洗って・・・

脱水して!

乾かす!

整える!

検品!

そして、保管!

これらの過程を経て、優秀な防炎品へと生まれ変わるのですね。

保管倉庫は、2階分(3階分?)の吹き抜けに、鉄骨が組まれ、
そこに、反物となった生地が手前から奥、床から天井までびっしり!

この中から、一体どうやってお目当ての反物を探し出すのかと思ったら、
倉庫の入口にあるPCに品番を打ちこむだけで、機械がバーコードを読み取り、
クレーンが勝手に下まで下ろしてくれるのです。

すばらしいですね、バーコード。

大きな機械音の中、長靴をはいた社長様自ら、大声で指示を出され、
加工の技術に誇りを持っていらっしゃる、本当にまじめな会社様でした。

お忙しい中、見学させて頂きありがとうございました。

防炎加工 カナイ整染さんの見学 その1

少し間が空いてしまいましたが、10月初旬に行った工場見学報告の続きです。

縫製工場の次は、カナイ整染株式会社 という防炎加工場の見学です。

群馬にあるこちらの会社は、日本防炎協会から防炎加工実績において、
最も高い評価を得ている会社です。

私は、防炎加工に詳しいわけではないので、専門的なことは分かりませんが、
防炎加工というのは、ドライにしても水洗いにしても、お洗濯によって
効果がなくなってしまうものも多く、なかなか厄介なものなのです。

ということは、加工の技術も、決して易しいものではなく、
加工がうまくいかず、検査が通らないファブリックもあるのです。

以前私も、在庫切れで待っていた国産ファブリックが、
入荷予定を過ぎても入らず、しかも入荷の目途が立たないといわれ、
一体何が???と営業の方に聞いてみると、どうしても防炎の検査が通らない・・・
と言われたことがありました。

そんな難しい防炎加工の第一人者の、カナイ整染さん。

ちょうど、私達が伺った時は、その防炎技術が表彰され、
明治記念館で行われる式典に参加します、と社長様が
仰ってました。

そんな防炎加工を施している工場は、なんと、
工場全体が大きな洗濯機!

そんな工場の写真は、その2でどうぞ。

全く違う9種のカーテンスタイル

9月26日に、TOSOさん主催のカーテンセミナーに参加しました。

なんて、随分日が経ってしまったのですが、写真を整理していたところ、
その際に撮った、ディスプレイの写真をご紹介してなかったことに
気づき・・・。

1メーカーにつき、1デザイン、全く違う雰囲気のディスプレイが9種、
富士吉田にある『マノワ』のコーディネーター、寺田さん、渡邉さんの
手によって飾られていました。

どのディスプレイも、窓は、床までの掃き出し窓が1つと、その横に、
腰高の小窓が1つです。
同じ窓なのに、ファブリックの組合わせで、こんなにも違う雰囲気が出来上がるんです。

皆様が、カーテンのスタイルを考えられる時の参考になるかもしれません。
どうぞお楽しみ下さい!

まるで、着物!

縫製工場見学

先週、インテリア関連業種の方々が所属する、クラブ(サークル?)主催の、
工場見学に参加させて頂きました。

このクラブのTopは、大ベテランのインテリアコーディネーターの先生ですが、
大変気さくで面倒見のいい方で、様々な勉強会や見学会、懇親会などを
企画して下さいます。

工場見学などは、一人ではまず不可能なのでとてもありがたいのです。

今回は、縫製工場 → 防炎加工工場 → レース工場 の
3ヶ所です。

まずは、縫製工場。

私は、縫製工場の見学は2回目ですが、工場によって、
随分内容が違うものだとびっくり。

以前見学した工場は、特注やスタイルカーテン、なんでも対応します!というところでしたが、
今回は、3山2倍ヒダや、2山1.5倍ヒダ基本のカーテンを、流れ作業で、大量に縫製している
工場でした。

縫製は、熟練の女性技術者の手によって進められるのですが、その早いこと早いこと!

がー。 はいできた。
がー。 はいできた。
がー。
の繰り返しです。

な、なんで曲がらないんですが?
マチ針も、しつけもなくて、なんでそんなに大きな布をまっすぐ縫えるんですか?

なんで?あっという間にウェイトテープが?
なんで?あっという間にヒダ山が?
一体なんで?・・・と私が思ってるうちに、次から次へとカーテン完成です。

丈決めや、形態安定加工も、熟練技術者の確かな目と手で1点1点行われます。

実は、私、1回目の工場見学の前までは、
縫製ってもっと機械化されているものだと思ってました。

大きな機械があって、そこになんらかの形で生地を設置すると、
裾と、横を縫われて出てくる、みたいな・・・。

どんな機械だ???って感じですが、
漠然と、全てオートメーションというイメージがあって。

そんなはずないですよね。
1つ1つサイズの違うオーダーカーテンですから、
1つ1つ丁寧に、人の手が入ってるんですよね。

お客様のご希望を、形にして下さる縫製工場の皆さん、
ありがとうございます。

分かりやすく、無理のない発注書を書くよう心がけます!

・・・と、心で誓って工場を後にしました。

次回は、工場全体が、巨大な洗濯機となっている、
防炎加工工場をご紹介します。