William Morris (ウィリアム・モリス) 考察

 

ウィリアム・モリスは、産業革命の時代にデザインの概念を初めて生み出し実践したことで、「近代デザインの父」といわれています。

また、社会思想家・詩人などとしても知られ、その生涯の中で実に多彩な活動を行いました。

「すべての装飾の仕事には、芸術監督が必要である」として、室内装飾の総合的なデザインに力を注ぎました。

 

その活動はやがて「アーツ&クラフツ」運動として広がり、後世に大きな影響を与えました。

モリスの仕事の中でも最も優れていたのは、豊かな英国の自然をモチーフにして創作されたパターンによる壁紙やテキスタイルのデザインでした。

そして現在「ウィリアム・モリス」ブランドの商品は、「MORRIS&Co.」(モリス商会)として、Sanderson(英国サンダーソン社)により商標登録され、その製品である生地と壁紙が生産され、日本ではマナトレーディング社により販売されています。

Sanderson社のモリス関連の商品には、MORRIS&Co.のトレードマークが記され、ウィリアム・モリス及びモリス商会のデザインの真正版(正統な後継品)、およびその忠実な解釈版ということが保証されています。

そして、もう一つは、川島織物セルコンがライセンス契約して、そのデザインを織物として再現し「MORRIS DESIGN STUDIO」のブランド名で、2000年からのfiro(フィーロ)のコレクション中で発売されているものがあります。

モリスの優れたデザインと、川島織物セルコンの持つ織の技術が融合したコレクションは、モリスの新たな魅力を生み出しています。

 

そして、そのデザインパターンは様々な形で表現された商品となっています。

今回は、本国イギリスの商品と国産のライセンス商品を比較して、それぞれの特性を考えてみました。

上の写真は、モリスの代表作「ウイローボウ」の壁紙です。

モリスの家の近くを流れるテムズ川の川べりに茂る柳の木々からインスピレーションを受けたというこのデザインは、壁紙として1877年に登場し、1895年にはファブリックとして採用されました。

上の写真のようにコーディネートブックにも、濃淡のプリント、シアー、壁紙など様々な形で掲載されています。

日本では、これらコットンプリントや壁紙が知られていますが、イギリス本国のコレククションにはWeaves(織り)やEmbroideries(刺繍)のものがあります。

それでは、川島織物セルコンのライセンス商品と合わせて写真で比較してみましょう。

Morris&Co プリント(コットン100%)

最初はイギリス本国のコットンプリント。昔も今も変わらぬ人気があります。

川島織物セルコン ジャカード (ポリエステル100%)

こちらは、川島織物セルコンのジャカード織り物です。

モリスのデザインが忠実に再現されています。

国内の需要に合わせて、組成はポリエステル100% ウオッシャブル、防炎規格で、形状記憶加工を施して納めると、美しいウェーブを保つことができることが1つのメリットといえましょう。

価格もイギリス本国のものと比べると、定価¥7,300/mと比較的リーズナブルです。

Morris&Co Weaves(織り) コットン80% ナイロン20%

そして、こちらが、本国イギリス「 Morris&Co」 の織り物です。

使われている糸の本数や色など手が掛かっているのが解るでしょうか。

柄の陰影がはっきりして動きも生き生きと感じられます。

価格も定価¥16,400/mと国産のものと比べると、かなり高価になってきます。

川島織物セルコン レース (ポリエステル100%)

こちらは、川島織物セルコンの商品で同じウイローボウのレースです。

このように、同じデザインでも、素材や生産方法など違いにより、テクスチャーや生地の持つ特性など様々な表情を醸し出します。

Morris Blackthorn (コットン100%)

こちらは、私の好きな「Blackthorn」(ブラックトーン)です。

モリスの弟子 John Henry Dearle (ジョン・ヘンリー・ダール)によるデザインです。

モリスの好んだ英国の花、ブラックトーン(リンボク類)の花屋スミレがデザインされています。

川島織物セルコン ブラックソーン  (ポリエステル100%)

そしてこちらは、川島織物セルコンのライセンス商品です。

比較しやすいように同じ柄を撮影してみました。

こうやって並べて見比べなければ同じデザインとは思えない程違って見えます。

私は、下の川島織物セルコンのジャカード織り物の方が好きです。

ベースの色に深みがあり、トラディショナルな雰囲気にも相性が良いのですが、可愛らしい花のモチーフが女性にとても人気があります。

実は、このブログを書いている本日もお納めしてきましたばかりです。

 

 

以前のブログでも書きましたが、モリス商会は昨年の2011年で創設150周年を迎えました。

それ程昔のデザインが、未だに斬新で人々の心ろ惹きつけてやまない人気があります。

 

私たちホームデコアは、昨年行われたモリスディスプレイコンテストで優秀賞を受賞させていただきました。

モリスの商品に関しては、海外、国内のものを数多く取り揃え、見て、触って、比較していただけるようにしております。

是非、皆様からのお問い合わせ、ご来店をお待ちしております。

 

クリスマス カラー

選挙も終わって、年末も後残すところ2週間を切りました。

年末にかけて納品お届けのラッシュに追われる今日この頃です。

そんな中でも昨日はちゃんと選挙は行ってきましたよ!

 

しかし、この不景気と言われるご時世の中、お仕事をたくさん頂いているってことは本当にありがたいことです!

さて、本日はそんな中で最近お納めした、来週に迫ったクリスマスの雰囲気の赤を使った事例を何点かご紹介します。

相変わらず人気の高いBORAS Malaga(マラガ)です。

クリスマスツリーの背景にピッタリですね!

奥の出窓には、ウッドブラインドを合わせています。

ナチュラルな素材感がカーテンとも相性がとても良いのです。

コットン素材のカーテンにもひと工夫。

ご自宅での洗濯を考慮して、仕立てる前に湯通し加工をしています。

こうすることで、お洗濯による収縮を抑える効果があるのです。

また、日焼け防止の対策として同素材の裏地を付けて仕上げています。

 

こちらも暖かみのあるチェックの柄です。

メイドインベルギー。フジエテキスタイルのタフタコレクションよりのチョイスです。

赤のキャベ(敷物)に合わせてシェード(右)とカーテンでコーディネートしました。

中央下にワンチャン(コーギー)の耳が写っています (^^;)

 

最後はぐっとゴージャスに・・・。

先日のブログでご紹介したモリスのシルクエンブロイダリーのカーテンにバランス(上飾り)を取付けました。

縦糸に赤を使ったシャンタン生地を使ってカーテンの赤に負けないようなコントラストを付けてみました。

半分おまかせでしたが、お客様にも大変喜んでいただきました。 次はこれに合わせて敷物をご提案することになっています。

 

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さ〜 年末までのラストスパートがんばるぞー (^O^)